『アニーローリー』のモデルは、マクスウェルトン家の長女アニーローリー。
1682年生まれの実在の人物で、評判のレディーで遠方からも求婚を受けるほどの美人だったという。
そんな彼女には親にも打ち明けられない恋しい人がいた。フィンランド家出身の詩人ウイリアム・ダグラスがいた。
アニーローリーとダグラスはお互いに愛し合い、二人は将来を誓い合っていた。だが、運命のいたずらか、二人の仲を阻んだのは、血の結束、クラン(結社)に所属する両家は互いに覇を競う中、許され得ぬとはいえ希望は見えたが、やがて両家のクランは国を別けての争いとなって二人は引き離された。
結局アニーは、父親の政略によって、1709年にジェームズ・ファガーソンと結婚させられてしまう。
愛する恋人を失ったダグラスは、アニーローリーのことが忘れられず、彼女への慕情を詩篇に託した。
やがて、この哀しい物語は、スコットランド民謡「アニーローリー」として、後世に歌い継がれることとなった。
現存する現代の歌は、スコットランドの女流音楽家ジョン・ダグラス・スコット夫人により1838年頃につけられたもの。その際、歌詞も一部修正・追加されている。