シベリウス:ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47

指揮: ヴァシリー・ペトレンコ Vasily Petrenko
オスロ・フィルハーモニー管弦楽団 Oslo Filharmoniske Orkester
ヴァイオリン: ジョシュア・ベル Joshua Bell

 

シベリウスのヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47は、1903年に作曲された。1905年に改訂され、これが現行版となっている。
シベリウスは若い頃ヴァイオリニストを目指しており(しかしあがり症のため断念してしまった)、彼の唯一の協奏曲となった本作品もヴァイオリンを独奏楽器とする作品である。シベリウスの作風は交響的でありながら室内楽的な緊密な書法を基盤としており、独奏者がオーケストラと対等に渡り合い、名人的な技巧を披露することを目的とする『通例の』協奏曲とは必ずしも相容れない。
協奏曲の通例どおり「急 - 緩 - 急」の3楽章からなるが、特に第1楽章に強い独創性が認められる。独奏楽器の技巧性よりも交響的な重厚な響きと室内楽的な緊密な構成が特筆される。

第1楽章 Allegro moderato - Allegro molt - Moderato assai - Allegro moderato - Allegro molt vivace ニ短調、拡大された自由なソナタ形式。
大まかには提示部(3つの主題)-展開部(カデンツァ)-やや変形された再現部とコーダ の形を取る。シベリウスは第1楽章の冒頭部分に関して、「極寒の澄み切った北の空を、悠然と滑空する鷲のように」と述べている。
交響曲を思わせる重厚な響き、緊密な構成など、いかにもシベリウスらしい独創性に富んだ楽章で、古今のヴァイオリン協奏曲の中でも屈指のスケール感をもつ名楽章である。

第2楽章 Adagio di molto 変ロ長調、3部形式。
楽章のはじめに木管楽器が導入句を演奏する。これに続いて独奏楽器が主部主題を厳かに奏でる。すると弦楽器が突然冒頭部の動機を強音で演奏し、劇的な中間部に入る。しかしヴィオラ、オーボエ、クラリネットが主部主題を提示し、楽章は静かに閉じられる。

第3楽章 Allegro ma non troppo ニ長調、
自由なロンド形式でA-B-A-B-A’(コーダ)の構造となっている。ティンパニ、低弦の刻むリズムに乗って独奏楽器が技巧性を発揮する華やかで常動的なロンド主題を奏することで開始される。副楽節は短調に転じた舞曲風のリズミックな主題である。次いでロンド部、副楽節部と展開しながら反復し、華麗に盛り上がってゆく。最後はロンド部の断片を結尾として華やかに終止する。

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