ドボルザーク: チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 

指揮: セルジュ・チェリビダッケ Sergiu Celibidache
フランス国立放送管弦楽団 Orchestre national de la ORTF( ORTF=フランス放送協会)
チェロ: ピエール・フルニエ Pierre Fournier

 

Ⅰ Allegro
Ⅱ Adagio, ma non troppo
Ⅲ Finale: Allegro moderato -- Andante -- Allegro vivo

チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 (B.191)は、チェコの作曲家アントニン・ドヴォルザークが作曲したチェロ協奏曲である。
交響曲第9番「新世界より」や弦楽四重奏曲第12番「アメリカ」と並ぶドヴォルザークの代表作の一つであり、一部の音楽愛好家には「ドヴォルザークのコンチェルト(協奏曲)」を短縮した「ドボコン」の愛称で親しまれている。ドヴォルザークが書いた協奏曲には、この作品の他にピアノ協奏曲とヴァイオリン協奏曲が存在するが、その認知度には大きな差があるため、「ドボコン」の愛称は一義にこの作品を指す。チェロ協奏曲の中で最も有名な作品の一つで、チェロ奏者にとって最も重要なレパートリーである。
協奏曲としては異例な程オーケストラが活躍する曲であり、特に木管楽器のソロは素晴らしい。さらには、主題操作の妙や確かな構成と、協奏曲に求められる大衆性と芸術性を高度に融合させた傑作である。これらをもって、チェロ協奏曲の範疇にとどまらず協奏曲というジャンルの最高傑作の一つとして評価される作品である。

第1楽章 Allegro ロ短調、比較的厳密なソナタ形式(協奏ソナタ形式)。4分の4拍子。
序奏はなく、曲の冒頭でクラリネットがつぶやくように奏でる主題が第1主題である。この旋律は、作曲者がナイアガラ瀑布を見た時に霊感を得て書いたとされる。[1]第2主題はホルンが演奏するニ長調の慰めに満ちた主題。オーケストラがこれらの主題を提示し、確保した後、独奏チェロが第1主題を奏で、その動機をカデンツァ風に発展させながら登場する。速い動きの経過句を経て第2主題を独奏チェロが奏で、提示部コーダから展開部へと移る。再現部は、オーケストラが第2主題を演奏して始まり、独奏チェロがこれを繰り返す。次いで提示部のコーダ、第1主題の順に再現される。最後はロ長調でトゥッティによる短いコーダで力強く終わる。

第2楽章 Adagio ma non troppo ト長調、三部形式。4分の3拍子。
ドヴォルザークのメロディーメーカーとしての天賦の才能がいかんなく発揮された、抒情性に満ちた旋律を堪能できる緩徐楽章。のどかな主題が最初木管楽器で提示され、これを独奏チェロが引き継ぐ。木管と独奏チェロが掛け合いで進行するうち徐々に他の弦楽器も加わり発展させてゆく。ト短調の中間部はオーケストラの強奏で表情を変えて始まるが、すぐに独奏チェロがほの暗い主題を歌い上げる。この主題はドヴォルザーク自身の歌曲「一人にして」op.82-1 (B.157-1)によるものである。やがて第1主題がホルンに再現され、第3部に入る。独奏チェロがカデンツァ風に主題を変奏し、最後は短いコーダで静かに終わる。

第3楽章 Allegro moderato ロ短調、自由なロンド形式。4分の2拍子。
ボヘミアの民俗舞曲風のリズム上で黒人霊歌風の旋律が奏でられるドヴォルザークならではの音楽である。ロンド主題の断片をオーケストラの楽器が受け渡しながら始まり、やがて独奏チェロが完全なロンド主題を演奏する。まどろむような第1副主題、民謡風の第2副主題といずれも美しい主題がロンドの形式に則って登場する。終わり近くで、第1楽章の第1主題が回想されると急激に速さを増して全曲を閉じる。

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