モーツァルト:レクイエム Requiem ニ短調 K.626

指揮: ピーター・ヤン・ルーシンク Pieter Jan Leusink
オランダ・バッハ管弦楽団・合唱団 Bach Choir & Orchestra of the Netherlands
Olga Zinovieva - soprano   Sytse Buwalda - countertenor  Martinus Leusink - tenor  Thilo Dahlmann - bass
Concertgebouw Amsterdam 2014

レクイエム ニ短調 K. 626は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756年 - 1791年)が作曲したレクイエム(死者のためのミサ曲)である。モーツァルトの死により作品は未完のまま残され、弟子のフランツ・クサーヴァー・ジュースマイヤーにより補筆完成された。 しばしば、ヴェルディ、フォーレの作品とともに「三大レクイエム」の一つに数えられる。
 
イントロイトゥス【入祭唱】
第1曲 レクイエム・エテルナム【永遠の安息を】 (ニ短調 アダージョ 合唱・ソプラノ独唱)
 冒頭のD-C#-D-E-Fの動機は全曲に渡って用いられている。第2曲へ休みなく続く。
第2曲 キリエ【憐れみの賛歌】 (ニ短調 アレグロ 合唱)壮大な二重フーガ。セクエンツィア【続唱】
第3曲 ディエス・イレー【怒りの日】 (ニ短調 アレグロ・アッサイ 合唱)
 全曲中特に有名な曲で、テレビや映画などでよく用いられている。
第4曲 トゥーバ・ミルム【奇しきラッパの響き】
  (変ロ長調→ヘ短調 アンダンテ バス、テノール、アルト、ソプラノ独唱・四重唱)
 歌詞の通り、トロンボーンに導かれてバスが最後の審判について歌う。
第5曲 レックス・トレメンデ【恐るべき御稜威の王】 (ト短調 グラーヴェ 合唱)
 「グラーヴェ」はジュースマイヤーの指定。彼以降の補筆版(後述)では、速いテンポで演奏されることが多い。
第6曲 レコルダーレ【思い出したまえ】 (ヘ長調 アンダンテ 四重唱)
第7曲 コンフターティス【呪われ退けられし者達が】 (イ短調 アンダンテ 合唱)
 第5曲同様、他の補筆版では速いテンポで演奏されることが多い。
第8曲 ラクリモーサ【涙の日】 (ニ短調 ラルゲット 合唱)
 モーツァルトの絶筆(8小節、"judicandus homo reus:" まで)。
 9小節以降はジュースマイヤーの補筆であるが、作曲は必ずしも曲順に進められるわけではないため、後述の通り、続く第9、10曲も第3~7曲同様、旋律や和声など主要な部分はモーツァルトの作曲である。
オッフェルトリウム【奉献文】
第9曲 ドミネ・イエス【主イエス】 (ト短調 アンダンテ・コン・モート 合唱・四重唱)
第10曲 オスティアス【賛美の生け贄】 (変ホ長調 アンダンテ 合唱)
 
サンクトゥス【聖なるかな】
第11曲 サンクトゥス【聖なるかな】 (ニ長調 アダージョ 合唱)
 全曲で唯一、シャープ系の調性の曲。"Hosanna" 以降はフーガとなる。
第12曲 ベネディクトゥス【祝福された者】(変ロ長調 アンダンテ 四重唱・合唱)
 前曲と同一のフーガで締めくくられる。 アニュス・デイ【神の小羊】
第13曲 アニュス・デイ【神の小羊】 (ニ短調 ラルゲット 合唱)
 次の曲に休みなく続く。
 
コムニオ【聖体拝領唱】
第14曲 ルックス・エテルナ【永遠の光】 (ニ短調 アダージョ ソプラノ独唱・合唱)
 合唱は全て混声四部合唱で、四重唱はソプラノからバスまでの独唱者による。
 このうち、モーツァルトが完成させたのは第1曲だけにすぎない。第2曲はフライシュテットラーとジュースマイヤーによってオーケストレーションが行われた。他に第3曲から第7曲、第9曲 - 第10曲の主要部分(四声の合唱部と主要な和声のスケッチ)と第8曲「涙の日(ラクリモーサ)」の8小節までがモーツァルトによって残され、それを基にジュースマイヤーが補筆完成を行っている。残りの第11曲以降については草稿は伝わっていないものの、フライシュテットラーやジュースマイヤーに対し何らかの指示がされた可能性はある。また、全曲の最後を飾る第14曲「聖体拝領唱」はモーツァルトの指示により(コンスタンツェの証言が残っている)第1曲「入祭唱」の一部および第2曲「キリエ」のフーガの歌詞を入れ替えたもので、これは当時のミサ曲の慣例でもあった。

モーツアルト:レクイエム

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