モーツアルト:大ミサ曲 ハ短調 große Messe in c-moll K.427

Dirigent: Clau Scherrer
Chor: cantus firmus surselva
Orchester: Kammerphilharmonie Graubunden
Sopran I: Marelize Gerber
Sopran II: Judit Scherrer
Tenor: Jakob Pilgram
Bass: Marian Krejcik

 

大ミサ曲 ハ短調 K.427(K.417a)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲した未完成のミサ曲。資料によって「ミサ曲ハ短調」や「ハ短調ミサ曲」とも呼ばれる。また一連のミサ曲において16番目に当たることから「ミサ曲第16番」と表記される場合もある。モーツァルトの宗教音楽では、レクイエムに次いで有名な曲である。

この曲はモーツァルトの作品としては珍しく、注文を受けずに自発的に作曲された。1782年8月4日にモーツァルトはウィーンの聖シュテファン教会でコンスタンツェ・ウェーバーと結婚したが、故郷ザルツブルクにいる父レオポルトの許可を得ないままであった。モーツァルトはこの曲を作ることによって、結婚の誓約が確かなものであることを証明し、妻が技量のあるソプラノ歌手であることをアピールするつもりであったという。
全体は未完のまま残されており、「キリエ」、「グローリア」、「サンクトゥス」、「ベネディクトゥス」はすでに完成されている。「クレド」は前半部分が未完の形で残されており、その第1部(クレド・イン・ウーヌム・デウム)は合唱とバスのパートが、続く第2部(エト・インカルナトゥス・エスト)は声楽部と管楽とバスが完成されている。しかしそれに続く「クルシフィクス」は書かれておらず、「アニュス・デイ」に至っては欠落している。

初演は1783年10月23日に試演された後、26日(多くの資料によっては10月25日、8月26日とある)にザルツブルクの聖ペテロ教会にてモーツァルトの指揮で行われた。この時に妻コンスタンツェはソプラノのパートを担当している。この初演においてモーツァルトは以前作曲したミサ曲の一部を転用して演奏したと考えられている。
以下の5曲(アニュス・デイを除く)から構成される。現在演奏される版の演奏時間は50分ないし60分ほど。

第1曲 キリエ(Kyrie)完成。自筆譜が残されている。
アンダンテ・マエストーソ、ハ短調、4分の4拍子。ソプラノと合唱。

第2曲 グローリア(Gloria)完成。自筆譜が残されている。
全体は8つの部分に分けられる。
第1部 天のいと高きところには、神に栄光(Gloria in excelsis Deo) アレグロ・ヴィヴァーチェ、ハ長調、4分の4拍子。
第2部 我らは主をほめ(Laudamus te) アレグロ・アペルト、ヘ長調、4分の4拍子。
第3部 主の大いなる栄光のゆえに(Gratias agimus tibi) アダージョ、変ハ短調 - イ短調、4分の4拍子。
第4部 神なる主(Domine Deus) アレグロ・モデラート、ニ短調、4分の3拍子。
第5部 世の罪を除きたもう主よ(Qui tollis) ラルゴ、ト短調、4分の3拍子。
第6部 主のみ聖なり(Quoniam tu solus) アレグロ、ホ短調、4分の3拍子。
第7部 イエス・キリストよ(Jesu Christe) アダージョ、ハ長調、4分の3拍子。
第8部 聖霊とともに(Cum Sancto Spiritu) アレグロ、2分の2拍子。

第3曲 クレド(Credo)未完成。後生の研究者によって補筆されたものが演奏される。
2つの部分に分けられる。
第1部 我は信ず、唯一の神(Credo in unum Deum) アレグロ・マエストーソ、ハ長調、4分の3拍子。
第2部 聖霊によりて(Et incarnatus est) アンダンテ、ヘ長調、8分の6拍子。

第4曲 サンクトゥス(Sanctus)完成。パート譜をもとに再構成された。
ラルゴ - アレグロ・コモド、ハ長調、4分の4拍子。ソプラノ独唱と合唱。

第5曲 ベネディクトゥス(Benedictus)完成。パート譜をもとに再構成された。
アレグロ・コモド、イ短調、4分の4拍子。四重唱と合唱。

アニュス・デイ(Agnus Dei)未完成。スケッチのみが残っている。演奏されない。

モーツアルト:大ミサ曲 ハ短調 K.427

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