ヴァイオリン: アルテュール・グリュミオー Arthur Grumiaux
ピアノ: クララ・ハスキル clara Haskil
Recorded 8-22-1960
ヴァイオリンソナタ第34番 変ロ長調 K.378(317b)は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したヴァイオリンソナタ。K.55~K.61までの偽作(K.61はヘルマン・フリードリヒ・ラウパッハの作品)を除けば第26番である。
女性ピアニストヨーゼファ・フォン・アウエルンハンマーに献呈した6曲のソナタのひとつで、2年近くにも及んだマンハイム・パリ旅行から帰って間もない1779年初め頃にザルツブルクで作曲されたと考えられているが、1781年のウィーンでヴァイオリンの名手ブルネッティのために作曲されたという説もあるが(現在ではこの説は有力視されている)、詳しい資料がないため不明な点が多い。
華麗で優雅な面を持っており、流麗な楽想、洗礼された雰囲気、華やかなピアノの活躍などが際立っている作品で、そこではパリ風の優美でエレガントな表現が、モーツァルトの個性を完全に同化させており、モーツァルトのヴァイオリンソナタの中でも特に親しまれ、演奏されることが多い作品となっている。また、このソナタは後のベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番「春」を予告する創作であると指摘されるケースがある。
全3楽章の構成で、演奏時間は約18分。