モーツァルト:交響曲 第38番 『プラハ』ニ長調 K. 504

指揮: カール・ベーム Karl Böhm
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 Wiener Philharmoniker
Recording: Musikvereinssaal, Vienna, May 1978

Ⅰ 00:28 - Adagio - Allegro
Ⅱ 11:36 - Andante
Ⅲ 20:56 - Presto

交響曲第38番 ニ長調 K. 504 は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲した交響曲。『プラハ』というニックネームを持つ。1787年1月19日にプラハにて初演された。

作曲の経緯
1786年12月、プラハでの歌劇『フィガロの結婚』K. 492の上演が大成功を収めたことにより、モーツァルトはプラハから招待を受けた。1787年1月22日、モーツァルトはプラハで自ら『フィガロの結婚』を指揮したが、この交響曲はそれに先立って初演されたものである。
モーツァルト自身の作品目録によれば、この交響曲の完成は1786年12月6日で、プラハ旅行の少し前である。このため、作曲の目的はプラハでの演奏ではなく、1786年から1787年の冬のウィーンでの演奏会のためではないかと見られている。ただし、ウィーンでの演奏の記録は残されていない。

この交響曲は3楽章からなり、メヌエット楽章を欠いているが、その理由は不明である。アラン・タイソンによる自筆譜の研究では、第3楽章の執筆時期は1786年のはじめとされる。タイソンは、同じニ長調で3楽章構成の第31番ニ長調 K. 297(300a)「パリ」のフィナーレを差し替えるために第3楽章を作曲し、のちに第1、2楽章も新たに書いたのではないかと推測している。

楽器編成:フルート2,オーボエ2,ファゴット2,ホルン2,トランペット2
ティンパニ,弦5部

第1楽章 アダージョ - アレグロ ニ長調、4分の4拍子、序奏つきソナタ形式。
アダージョによる導入部から始まる。D音のシンコペーションがやがて8分音符の快活な連打となり、そこから第1主題が流れ出る様は非常に印象的である。またこの第1主題の対旋律は、歌劇『フィガロの結婚』の有名なアリア「もう飛ぶまいぞこの蝶々」からとられている。また、第2主題が短調を経た後に同じく『フィガロの結婚』より、スザンナのアリア「膝をついて」が現れる。再現部は展開部の流れを受けて、第1主題が提示部における発展順序と一部入れ替わっているため、再現部と展開部とが相互浸透的になっている。
第2楽章 アンダンテ ト長調、8分の6拍子、ソナタ形式。
第3楽章 フィナーレ:プレスト ニ長調、4分の2拍子、ロンドソナタ形式。
第1主題の旋律は『フィガロの結婚』第2幕のスザンナとケルビーノの二重唱「早く開けて」に似る。

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