モーツアルト:ピアノ・ソナタ 第11番 K.331 「トルコ行進曲付き」

ピアノ: マリア・ジョアン・ピレシュ Maria Joao Pires

 

ピアノソナタ第11番イ長調(Klaviersonate Nr.11 A‐dur) K.331は、モーツァルトが作曲した3楽章構成のピアノソナタである。
第3楽章が有名な「トルコ行進曲」であるため、「トルコ行進曲付き」と呼ばれることがある。またこの楽章だけが単独で演奏される機会も多い。
この曲の最も著しい特徴として、一般の4楽章構成によるソナタ(急-緩-舞-急)の最初の楽章に相当する楽章を欠いている(緩-舞-急しかない)ことが挙げられる。このことによって、一般に古典派ソナタの第1楽章におくべきとされるソナタ形式による楽章が欠如してしまっている。ソナタ形式による楽章を含まない「ソナタ」は、もはや古典派ソナタの定義からはずれているが、天才モーツァルトの才能は、この「ピアノソナタ」において、表面的な形式を超越した次元で、「ソナタ」を作ることに成功している。なお、時代が下るにつれて、ソナタ形式の欠如は珍しいことではなくなっていく。

第1楽章 Andante grazioso イ長調(第3変奏ではイ短調) 変奏曲の形式による。主題が提示され、それが6回変奏される。非常に典雅で有名なシチリアーナの主題。日本ではピアノ演奏の優雅さを象徴するシーンとして映像作品にしばしば登場する。冒頭の主題から第4変奏までは8分の6拍子のAndanteであるが、第5変奏は8分の6拍子のAdagio、最終の第6変奏は軽快な4分の4拍子のAllegroとなり、そのままのテンポで短いコーダを伴って締めくくる。

第2楽章 Menuetto イ長調(トリオではニ長調)  メヌエットとトリオ。

第3楽章 Rondo Alla Turca: Allegretto イ短調→イ長調 有名な「トルコ行進曲」である。ロンド形式(A→B→C→B→A→B'→Coda、B'はオクターヴを分散して16分音符化した旋律)による。当時流行していたトルコ趣味を取り入れたものである。左手の伴奏がよくトルコの軍楽隊の打楽器の響きを模倣している。特殊なペダルを用いて演奏することがある。テンポは楽譜上ではAllegrettoであるが、多くの演奏家はAllegroで演奏することが多い。

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