モーツァルト:ピアノ協奏曲 第19番 ヘ長調 K.459

指揮: デイヴィッド・ジンマン David Zinman
Deutsche Kammerphilharmonie
ピアノ: ラドゥ・ルプ Radu Lupu

 

ピアノ協奏曲第19番 ヘ長調 K. 459は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが作曲したピアノ協奏曲である。

1784年の12月11日にウィーンで作曲され、1784年に一気に書かれた6曲のピアノ協奏曲の最後を飾る作品で、モーツァルトがピアニストとしての自活を賭けて、自身の演奏会で弾くために作曲されたものである。
1790年の10月15日のレオポルト2世の戴冠式を祝して催された演奏会で、モーツァルトがピアノ協奏曲第26番『戴冠式』K.537と共に演奏したために『第2戴冠式』という通称で呼ばれることもある。
なお作品目録に明記されているトランペットとティンパニのパートは自筆譜には無いうえ、パート譜も発見されていない。だが、ヘ長調の作品ではほとんどこれらの楽器を用いていないという点から誤記の可能性も残る。オランダのピアニストArthur Schoonderwoerdはトランペットとティンパニを両端楽章に入れた録音(Accent、2013年)を発表しており、外部リンクで聞くことができる。
なお、第1楽章と第3楽章にはモーツァルト自身のカデンツァがある。
3楽章からなり、演奏時間は約28分。

第1楽章 アレグロ・ヴィヴァーチェ ヘ長調、協奏的ソナタ形式。
モーツァルトの作品に見られる顕著な付点リズムによるリズム動機が、対位法的な手法と絡めて執拗に出てくる。
第2楽章 アレグレット ハ長調、ソナタ形式風の2部形式。
穏やかな長調主題と哀愁感が漂う短調主題が、オーケストラとピアノが対話するように織り込んでいく。
第3楽章 アレグロ・アッサイ ヘ長調、500小節に及ぶロンドである。
基本動機を徹底的に使用しながら、フガートや二重フーガなどの対位法的な手法も交えて巧妙に作り上げている。

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