モーツァルト:弦楽五重奏曲 第4番 ト短調 K.516

ヴァン・カイック四重奏団 Quatuor Van Kuijk

弦楽五重奏曲第4番ト短調K.516は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトによって、1787年の春ごろ作曲された。ほぼ同時期に作曲された第3番ハ長調K.515とは姉妹作品で、対照的な性格を持っており、両曲ともにモーツァルトの室内楽の名曲として親しまれている。この第4番ト短調K.516の完成は1787年の5月16日である。
ハ長調―ト短調のペアで作曲された第3番ハ長調、この第4番ト短調の2曲は、翌年に作曲した交響曲第40番K.550ト短調と交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』のペアとよく擬せられる。第4番ト短調の随所に流れる美しい旋律は、モーツァルトの数ある作品の中でも、もっとも深い憂いをたたえたものに数えられる。

第1楽章 Allegro
曲の冒頭、憂いに満ち、あえぐような旋律を第1ヴァイオリンが歌いだし、すぐに同じ旋律を第1ヴィオラが引き継ぐ。第2主題も第1主題同様憂いに満ちている。
小林秀雄は『モオツアルト』の中で「疾走する悲しみ」と表現した。

第2楽章 MenuettoAllegretto ト短調、4分の3拍子。複合三部形式。この楽章も第1楽章同様深い憂いに満ちている。トリオはト長調。

第3楽章 Adagio ma non troppo 変ホ長調、4分の4拍子。展開部のないソナタ形式。全ての楽器が弱音器を装着し、静かな瞑想のように音楽は進む。

第4楽章 Adagio - Allegro 第1ヴァイオリンの長い悲歌によって、ト短調、4分の3拍子の長い序奏が奏される。一転、悲しみに疲れたようにト長調、8分の6拍子のロンドソナタに転じ、平明ではあるが洗練された最終楽章となる。

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