モーツァルト:フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 K.299

ズービン・メータ Zubin Mehta
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団 Israel Philharmonic Orchestra
フルート : ギィ・エシェド Guy Eshed
ハープ:ジュリア・ロビンスキー Julia Rovinsky
Live from Tel-Aviv 20/01/2016

フルートとハープのための協奏曲 ハ長調 Kv.299は、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトが、1778年に作曲した協奏曲である。
 
本作は快活な両端楽章と可憐な中間楽章との対照の妙によって名高く、フルートとハープを独奏楽器に起用した異例の二重協奏曲としても知られている。フルートとハープという、音色のかけ離れた楽器の組み合わせは前例がなく、ハープ協奏曲の名作が数少ないこともあり、しばしばハープ奏者の力量を証明するために演奏されることが多い。
本作は、モーツァルトのこの上ない魅力だけでなく、その典雅な美しさをも証明しており、とりわけ第2楽章「アンダンティーノ」は、単独でも演奏されるほど非常に有名である。
 
カデンツァは本来演奏者の即興に委ねられるべきものだが、こちらの曲はアマチュア音楽家の依頼で作曲されたため、3つの楽章すべてに置かれているカデンツァにはモーツァルト自身によるものがあったとされる。しかしこれらは消失してしまっているため、しばしばカルル・ライネッケの手によるものが利用されてきたが、古楽器演奏家が演奏・録音する際は古典派音楽の作曲様式を意識して新たにカデンツァを書き下ろす例が見られる。
第1楽章 アレグロ ハ長調 4分の4拍子
独奏楽器を加えたオーケストラのトゥッティがハ長調の分散和音による華やかな第1主題を奏して始まり、pとfを交替させつつ次第に盛り上がって行くという、当時の協奏曲によく用いられた手法で続けられる。
 
第2楽章 アンダンティーノ ヘ長調 4分の3拍子
展開部を書いたソナタ彩式。オーボエとホルンを省き、弦だけに抑えた伴奏となって、独奏楽器のあでやかな音色がひときわ輝き、目立っている。10小節に引き伸ばされた優美な第1主題と2つの第2主題が順番に提示されると、ハープの流れる走句を挟んですぐに、すでに提示された3つの旋律が原調に戻って再現され、カデンツァから徐々に力を弱め、最後はppとなって消えてゆく。
 
第3楽章 ロンド-アレグロ ハ長調 2分の2拍子
前の2つの楽章にましてフランス的な感性が浸透している。それがよく現れているのがガヴォット風にアウフタクトのリズムを持つロンド主題の形姿によくあらわれている。
終楽章はロンド形式、それ以外はソナタ形式で構成されている。

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