指揮: 若杉 弘 Hiroshi Wakasugi
東京都交響楽団 Tokyo Metropolitan Symphony Orchestra
10/3/1995 Tokyo Bunka Kaikan
交響曲第44番ホ短調 Hob.I:44は、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが作曲した交響曲のひとつ。ハイドンのいわゆる「シュトゥルム・ウント・ドラング」期に書かれた短調交響曲のひとつであり、全曲が緊張感にあふれている。
演奏時間は約24分。
自筆楽譜は残っていないが、ブライトコプフ社の1772年のカタログに見えており、1771年ごろに作曲されたと考えられている。
この曲の悲しみまたは哀悼(Trauer)という通称はハイドンによるものでもなければ古い筆写譜にも見えないが、1809年9月にベルリンで挙行されたハイドン追悼の記念行事でこの曲の緩徐楽章が演奏され、おそらくそのことによってつけられた。
いっぽう古い筆写譜には「カノーネ・シンフォニア」(canone sinf.)と名づけられているものがあり、メヌエットにカノンが使われていることにもとづいている。
ホ短調という調性は当時の交響曲にはほとんど用いられた例がなく(いくつかの例の一つとして、オランダのヨハネス・フェルフルスト(英語版)は1840年前後にホ短調の交響曲を作曲している)、その後の使用例は1885年のブラームスの交響曲第4番まで待たなければならない。
編成:オーボエ2、ホルン2、第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、ヴィオラ、低音(チェロ、ファゴット、コントラバス)