ハイドン:悲しみの聖母 Stabat mater

指揮: マーティン・コールマン Martin Kohlmann
ヘリオス・室内フィルハーモニー helios-kammerphiharmonie
Sppran, Alt, Tenor, Bass
Live Recording April 2021 Don Bosco Basel, Paul Sacher Saal

スターバト・マーテル Hob.XXbisは、フランツ・ヨーゼフ・ハイドンが1767年に作曲した声楽作品。13曲からなる大規模な受難オラトリオ風の作品である。
大部分の曲が遅く、短調の曲と長調の曲が交替する。この点で後の『十字架上のキリストの最後の7つの言葉』と共通する。
演奏時間は約1時間。

1766年3月にエステルハージ家の楽長ヴェルナーが没し、副楽長だったハイドンが楽長に就任すると、『チェチリア・ミサ』を皮切りに、それまでヴェルナーの担当だった宗教作品を次々に発表した。『スターバト・マーテル』もその中の1曲である。

『スターバト・マーテル』には自筆原稿がないが、1768年の手紙の中で1年前に作曲したと言っているため、1767年の作曲と考えられる。
当時の教会音楽、とくに当時ウィーンに住んでいたハッセの影響を受けており、ハイドンは筆写譜をハッセに送っている。
1771年3月29日にはウィーンのマリア・トロイ教会(ピアリスト教会)で演奏された。
1780年代にはいると、この曲はヨーロッパ中で有名になった。晩年のオラトリオ『天地創造』以前、『スターバト・マーテル』はハイドンのもっとも有名な声楽曲だった。

パリでは1781年にコンセール・スピリチュエルによって初演され、好評のため4回演奏された。ロンドン、ドイツ各地、ローマでも演奏された。
1803年には弟子のノイコムによってオーケストレーションがやり直された。1802年の『ハルモニー・ミサ』を最後としてハイドンは毎年のミサ曲の作曲をやめたため、1803年9月にミサ曲のかわりに演奏された可能性があるという。
歌詞は本来のスターバト・マーテルとは少し異なっている。とくに第12曲の「Fac me cruce」の部分(第19詩節)は本来のスターバト・マーテルには存在せず、他の作曲家の作品にも見えない。

編成:
ソプラノ、アルト、テノール、バス、4部合唱。
オーボエ2(コーラングレ持ちかえ)、弦楽、オルガン。
第2曲と第10曲ではオーボエにかわってコーラングレが使用される。ハイドンは同時期の大オルガン・ミサでもコーラングレを使用している。

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