ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ 第9番 「クロイツェル」 第1楽章

ヴァイオリン:アンネ=ゾフィ・ムター Anne-Sophie Mutter
ピアノ:ランバート・オルキス Lambert Orkis

第1楽章 第1-2楽章 第2楽章 第2-3楽章

 

ヴァイオリンソナタ第9番 - イ長調 - 作品47は、ベートーヴェンの1803年の作品。ヴァイオリニストのルドルフ・クロイツェルに捧げられたため、『クロイツェル』と呼ばれている。
ベートーヴェンの作曲したヴァイオリンソナタの中では、第5番「春」と並んで知名度が高い。
ベートーヴェンは生涯で10曲のヴァイオリンソナタを書いたが、特にこのクロイツェルは規模が大きく、王者の風格をそなえており、ヴァイオリンソナタの最高傑作であるとされる。ベートーヴェン以前の古典派のヴァイオリンソナタは、あくまでも「ヴァイオリン助奏つきのピアノソナタ」であり、ピアノが主である曲が多いが、この曲はベートーヴェン自身がつけた題の通り、ヴァイオリンとピアノが対等であることが特徴的である。技術的にも高度なテクニックが要求される。 ロシアの文豪レフ・トルストイによる同名の小説『クロイツェル・ソナタ』は、この曲に触発されて執筆された作品である。嫉妬心にかられ妻を殺してしまった夫の悲劇が描かれている。

第1楽章 Adagio sostenuto - Presto - Adagio  イ長調(実質的にはイ短調)。4分の3拍子。
ソナタ形式。イ長調の重厚な和音で始まるが、すぐにイ短調に転調し緩やかな序奏が終わる。主部はイ短調のプレストでヴァイオリンの激しい動きだけでなく、ピアノにも豪華なクロマチックを求めている。展開部は第一主題の発展であるが盛り上がりを見せる。ヴァイオリンは音量が小さいのでピアノに伍するために重音を活用しているが、ピアノはユニゾンで単純抑制された役に徹している。随所にAdagioの部分を挟むことで単調さを避けている。効果的な緩急自在によって中期の傑作といわれている。

ベートーベン:クロイツェルソナタ

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