ベートーヴェン:ヴァイオリン ソナタ 第5番 作品24 「春」 第2楽章 Adagio molto espressivo

ヴァイオリン:ギル・シャハム Gil Shaham
ピアノ: オルリ・シャハム Orli Shaham

ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンのヴァイオリンソナタ第5番ヘ長調Op.24は、1801年に書かれた。その、幸福感に満ちた明るい曲想から「スプリングソナタ(春)」という愛称で親しまれている、大変有名な曲である。元々、ベートーヴェンは前作のイ短調Op.23とセットで出版するつもりであったが、製本上の理由により、別々に出版された。
ベートーヴェン自身のヴァイオリン演奏は技術的に稚拙で自作のヴァイオリン部を公開で弾く機会はほとんどなかった。ヴァイオリンのイディオムにもピアノのそれに対するほど通じてはいなかったので、ソナタの旋律リズムはピアノのものが中心になっている。本作も第1楽章第1主題は同時代別作家のピアノ練習曲のものと類似しており、合奏の妙を得るには両奏者いずれも作品の経緯を理解する必要がある。

第2楽章 Adagio molto espressivo 変ロ長調、三部形式。
分散和音の伴奏に乗って、美しい旋律がピアノ、ヴァイオリンの順で歌われる。推移部のあと、主題が再現する際、それは装飾的な変奏や、転調などで彩られる。

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