ベートーヴェン:交響曲 第9番 第4楽章 Last 4:40

指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー Wilhelm Furtwängler
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 Berliner Philharmoniker
April 19, 1942 (アドルフ・ヒトラー誕生日の前夜祭として行なわれた演奏会)

指揮者フルトヴェングラーは第二次世界大戦前、1911年から1940年まで既に61回『第九』を指揮したとされる。その解釈は荘厳、深遠でありながら感情に流され過ぎず、友人でもあった音楽学者ハインリヒ・シェンカーの分析からも影響を受けている。第4楽章330小節のフェルマータを非常に長く伸ばし同時間の休止を設けるというワーグナー由来の特徴も見られ、自身の著作でも第1楽章の開始を宇宙の創世と捉えるなど後の世代にも影響を与えたが、後の世代の演奏はトスカニーニ流の明晰な演奏が主流となり、ブルックナー開始を思わせるフルトヴェングラーの解釈は、現在ではベートーヴェンにしてはあまりに後期ロマン主義的、神秘主義的に過ぎる、とされることが多い。
第二次世界大戦中ドイツに留まり活動していたフルトヴェングラーは1942年4月19日、ヒトラーの誕生日前日に『第九』を指揮しゲッベルスと握手する姿が映画に撮影されるなど政治宣伝に利用され、戦後連合国からナチスとの関わりを責められ一時活動の機会を失う事になった。

交響曲第9番 (ベートーヴェン)

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