ピアノ演奏: ニコライ・ルガンスキー Nikolai Lvovich Lugansky
2021 From Mariinsky Theatre
I. [0:00] Exposition - Theme 1 (Largo - Allegro) [1:15] Exposition - Theme 2 [2:17] Exposition - Repeat [4:31] Dev. [6:16] Recap. - Theme 1 (con espressione e semplice) [8:06] Recap. - Theme 2 |
II. [9:29] Expos. - Theme 1 (Adagio) [11:53] Expos. - Theme 2 (dolce) [12:52] Recap. - Theme 1 [15:12] Recap. - Theme 2 [16:31] Coda |
III. [18:00] Expos. - Theme 1 (Allegretto) [18:40] Expos. - Theme 2 (perpetuum mobile) [19:26] Expos. - Repeat [20:53] Dev. [22:44] Recap. - Theme 1 [23:36] Expos. - Theme 2 [24:19] Coda |
ピアノソナタ第17番 ニ短調 作品31-2は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンが作曲したピアノソナタ。『テンペスト』の通称で知られる。
作品31としてまとめられている3曲のピアノソナタ(第16番、第17番、第18番)は1801年から1802年の初頭にかけて、ほぼ同時期に作曲が進められた。初版譜はハンス・ゲオルク・ネーゲリが企画した『クラヴサン奏者演奏曲集』に収録される形で、第16番と組になって1803年4月に世に出された。同年秋にジムロック社より「厳密な改訂版」が出されたのも第16番と第17番であったが、その後1805年にカッピが作品29として出版した版から現在の作品31がひとまとめとなった。曲は誰にも献呈されていない。
カール・ツェルニーによると、ベートーヴェンは作品31を作曲している頃にヴァイオリニストで友人のヴェンゼル・クルンプホルツに対し「私は今までの作品に満足していない。今後は新しい道を進むつもりだ。」と述べたという。作曲時期は難聴への苦悶からハイリゲンシュタットの遺書がしたためられた時期にも一致しており、作品31の中でも特に革新的で劇的な本作にはそうしたベートーヴェンの決意を感じることができる。また、3つの楽章の全てがソナタ形式で作曲されている点もこの作品のユニークな点のひとつである。
『テンペスト』という通称は、弟子のアントン・シンドラーがこの曲と第23番(熱情)の解釈について尋ねたとき、ベートーヴェンが「シェイクスピアの『テンペスト』を読め」と言ったとされることに由来している。しかし、ドナルド・フランシス・トーヴィーはこの曲の中に戯曲の登場人物を見出そうとする試みは「英雄やハ短調交響曲(運命)が演奏されているときに、『紅はこべ』の功績のみに目を向けているようなものだ」と記している。