ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン作曲のピアノソナタ第13番変ホ長調作品27の1は、有名な《月光》とともに作曲されたピアノソナタである。 ベートーヴェンは作品27の2つのピアノソナタに「幻想曲風ソナタ(Sonata quasi una fantasia)」という副題をつけたが、作品27の2は《月光》の通称があまりにも有名になりすぎてしまったため、《幻想曲風》というとこの作品27の1だけを指す場合も多い。
全楽章がアタッカでつながっており、内省的ながら自在な即興曲を思わせる。第14番と同時に作曲され作品27とされているが、4楽章の構成やアンダンテで始まり対位法的なロンドでしめくくるところなどはむしろ一つ前の《葬送》に近く、作品26の2としてもおかしくないほどである。
第1楽章 Andante - Allegro - Tempo I - attacca 変ホ長調。三部形式。
素朴な響きのアンダンテに、やや暗いが豪華な雰囲気を持つアレグロが挟まれ、ただちに次の楽章に続く。
第2楽章 Allegro molto e vivace - attacca ハ短調。三部形式のスケルツォ。