ベートーヴェン:歌曲集「遥かな恋人に」 "An die ferne Geliebte" 作品98 (English subtitles)

バリトン: フィシャーディースカウ Fischer-Dieskau
ピアノ: ジェラルド・ムーア Gerald Moore

 

《遥かなる恋人に》(An die ferne Geliebte, Liederkreis nach Alois Jeitteles)作品98は、ベートーヴェンが1816年ウィーンで作曲した連作歌曲集。

ベートーヴェンが中期の「傑作の森」の時代を終え、スランプに陥っていた時期の作品で、実際この時期に交響曲や弦楽四重奏曲は書かれておらず、ピアノソナタでも唯一第28番が作曲されているだけである。
しかし後期に入る直前の時期でもあり、作曲家としての筆致は熟練しており、この作品でも第1曲の主題を最後の第6曲で回帰させるなど、全体の構成や転調などで、ベートーヴェンの熟練した作曲技法が十全に行かされている。
作詞者のアロイス・ヤイテレスは医学生であり、ベートーヴェンがヤイテレスの戦争負傷者に対する慈善活動を支援したことへの答礼としてこの詩を受け取った。
この曲をシューマンが大変好んだことが知られており、自身の《幻想曲ハ長調》や、《弦楽四重奏曲第2番》にこの曲のテーマを引用している。

第1曲〈丘の上に登り〉
 Ziemlich langsam und mit Ausdruck(少し遅く、表情を持って) 変ホ長調、3/4拍子
第2曲〈山々が霧の中から〉
 Ein wenig seschwinde(少しだけ早めに), Poco allegretto ト長調、6/8拍子
第3曲〈空高く飛ぶ雲や〉
 Allegro assai 変イ長調、4/4拍子
第4曲〈高い空の雲〉
 Nicht zu geschwinde, angenehm und mit viel Empfindung(急ぎ過ぎず、喜ばしくまた感受性豊かに)
 変イ長調、6/8拍子
第5曲〈五月が来て〉
 Vivace ハ長調、4/4拍子
第6曲〈この歌を受け取って〉
 Andante con moto cantabile - Ziemlich langsam und Ausdruck - Allegro molto e con brio
 変ホ長調、2/4拍子―3/4拍子

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