ヴィヴァルディ: ヴァイオリン・ソナタ ロ短調 作品2-5 RV 36

ヴァイオリン: パトリツィア・バッカリ Patrizia Vaccari
チェンバロ: Maria Antonietta Marongiu

12のヴァイオリン・ソナタ 作品2 (12 Violino Sonate, Op. 2) は、アントニオ・ヴィヴァルディ作曲による2つ目の出版曲集。ヴィヴァルディは、1709年にヴァイオリンと通奏低音のため12曲のヴァイオリン・ソナタを作曲して、ヴェネツィアの出版社アントニオ・ボルトリ (Antonio Bortoli) から出版し、デンマーク=ノルウェーの王フレデリク4世に献呈した。曲集には作品番号がないが、1710年にアムステルダムの出版社エティエンヌ・ロジェから作品番号付きで再版された。

出版譜の表題は「チェンバロの通奏低音とヴァイオリンのためのソナタ」と記されており、伴奏楽器がカタログのチェロから変更されていることがわかる。これは初めに出版する曲が(当時の習慣に従って)6曲のみだったため、残りの6曲を急いで作曲するための作曲時間の節約が目的の変更と考えられる。各楽章には舞曲楽章が記されており、明記はされていないが、12曲すべて室内ソナタの形をとっている。これはアルカンジェロ・コレッリの作品5『ヴァイオリン・ソナタ集』の後半6曲と同じ構成であり、所々にコレッリの影響が見られるが、ヴァルディの作品1である『トリオ・ソナタ集』程にはコレッリに依存していない。ヴィヴァルディはコレッリの簡潔で均整の取れた書法には順ぜずに、おそらく自身の演奏を前提として作曲され、舞曲名が記されてはいるものの、ダンスの伴奏曲としてではなく、ヴァイオリン曲として華麗な旋律を奏でるように仕上げている(作品2の続編として出版された作品5『6つのソナタ集』では、より堅実な書法を採用している)。

曲目

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