ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」から 夏

ヴァイオリン:ユリア・フィッシャー Julia Fischer

協奏曲第2番 ト短調、RV.315「夏」(L'Estate)

1. アレグロ・ノン・モルト-アレグロ mvt. 1 Allegro non molto
かんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人と家畜の群れはぐったりしている。松の木は枯れた。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトとスズメの囀りが聞える。柔らかい風が空でかき回される。しかし、荒れた北風がそれらを突然脇へ追い払う。乱暴な嵐とつんのめるかも知れない怖さで慄く。原譜には「暑さで疲れたように弾く」と指示がある。ヴァイオリンの一瞬一瞬の“間”に続いての絶え間ない音の連続が荒れる嵐を表現している。
2. アレグロ・プレスト・アダージョ mvt. 2 Adagio
彼の手足は稲妻と雷鳴の轟きで目を覚まし、ブヨやハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。それは甲高い音でソロヴァイオリンによって奏でられる。
3. プレスト(夏の嵐) mvt. 3 Presto
嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と巨大な雹(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。

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