ヴィヴァルディ:フルート協奏曲 ト短調 RV 439 「夜」 "La Notte"

フルート: クリストフ・マリツキ Krzysztof Malicki (ワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団ソロ フルーティスト)
ワルシャワ・フィルハーモニー室内管弦楽団 Warsaw Philharmonic Chamber Orchestra

フルート協奏曲ト短調『夜』(La notte)RV.439、作品10-2はアントニオ・ヴィヴァルディが作曲したフルート協奏曲の一つであり全6楽章。フルート協奏曲集作品10の第2曲である。原曲はRV.104(フルート、2つのヴァイオリン、ファゴット、通奏低音のための協奏曲)。
夜(notte)という標題の通り、一部の楽章に「幽霊」(Fantasmi)、「眠り」(Il Sonno)という副題もついている。
ヴィヴァルディのフルート協奏曲はもともとブロックフレーテ(リコーダー)のために作曲されたものだが、現代では専らフルートで演奏している。一部はリコーダーでの演奏を強調するためリコーダー協奏曲と表記している場合もある。

第1楽章 Largo. ト短調、4分の3拍子で、終始フラット1つの調子記号で書かれているがE音の臨時記号によりト短調である。4,5小節にも及ぶフルートのトリルが当時のイタリアの夜の情景を描き出している。

第2楽章 Presto. ト短調、4分の4拍子で、「幽霊」(Fantasmi)という副題がついている。高音部と低音部のカノン風の進行である。フルートは16分音符と32分音符、細かな3連符と終止せずそのまま第3楽章へと続く。

第3楽章 Largo. ヘ長調、4分の3拍子。通奏低音は休みである。緩徐楽章であるので単に楽譜通りに演奏すると味気ないものとなってしまう。

第4楽章 Presto. ト短調、4分の3拍子で、フルートとヴァイオリンが分散させた和音にのせて音楽を進行させていく。ヴィオラ、チェロ、コントラバスには移弦の技術を要するが、ここで特筆するほどではない。

第5楽章 Largo. ハ短調、4分の4拍子で、「眠り」(Il Sonno)という副題がついている。「チェンバロは休止で、弦楽合奏は、弱音器をつける」との指定がある。和声の持続音だけで音楽が進行する。

第6楽章 Allegro. ト短調、4分の4拍子で、カノン風の進行。14小節後からフルートのソロが始まる。その後トゥッティとなった後フルート、第1ヴァイオリン、チェロのソロとなるがヴァイオリンにはヴァイオリン協奏曲とも思えるような移弦の技術を要する箇所が存在する。

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