ヴィヴァルディ:ヴァイオリン協奏曲集「四季」(日本語 vs. クロアチア語:春 Proljeće, 夏 Ljeto, 秋 Jesen, 冬 Zima)

ヴァイオリン:スレーテン・クルシュティチ Sreten Krstić
ザグレブ室内合奏団 Zagreb Soloists

「四季」(イタリア語:Le quattro stagioni、英語表記はThe Four Seasons)は、イタリアの作曲家・アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲された、12曲から成るヴァイオリン協奏曲集。

《和声と創意への試み》 (Concerti a 4 e 5 "Il cimento dell'armonia e dell'inventione") 作品8の内、第1集すなわち第1曲から第4曲までの「春」「夏」「秋」「冬」に付けられた総称である。ただし、ヴィヴァルディ自身による命名ではない。
「四季」の各協奏曲はそれぞれ3つの楽章から成っている。それぞれの楽章にはソネットが付されていて、作者は不明である。このソネットゆえ、この曲は標題音楽に分類される。 ヴィヴァルディはこの「四季」で新しい旋律法やダイナミズムを追求した。
1725年に発刊され、モルツィン伯爵ヴェンツェスラウに献呈されている。

協奏曲第1番 ホ長調、RV.269「春」(La Primavera)Proljece 00:02
Ⅰ アレグロ ( Vivaldi Spring mvt 1 Allegro) 春がやってきた、小鳥は喜び囀りながら祝っている。小川のせせらぎ、風が優しく撫でる。春を告げる雷が轟音を立て黒い雲が空を覆う、そして嵐は去り小鳥は素晴らしい声で歌う。鳥の声をソロヴァイオリンが高らかにそして華やかにうたいあげる。
Ⅱ ラルゴ ( Vivaldi Spring mvt 2 Largo) 牧草地に花は咲き乱れ、空に伸びた枝の茂った葉はガサガサ音を立てる。羊飼は眠り、忠実な猟犬は(私の)そばにいる。弦楽器の静かな旋律にソロヴァイオリンがのどかなメロディを奏でる。ヴィオラの低いCis音が吠える犬を表現している。
Ⅲ アレグロ(田園曲のダンス) ( Vivaldi Spring mvt 3 Allegro) 陽気なバグパイプにニンフと羊飼いが明るい春の空の下で踊る。

協奏曲第2番 ト短調、RV.315「夏」(L'Estate)Ljeto 10:06
Ⅰ アレグロ・ノン・モルト-アレグロ ( Vivaldi Summer mvt 1 Allegro non molto) かんかんと照りつける太陽の絶え間ない暑さで人と羊の群れはぐったりしている。松の木も燃えそうに熱い。カッコウの声が聞こえる。そしてキジバトの囀りが聞える。北風がそよ風を突然脇へ追い払う。やって来る嵐が怖くて慄く。ヴァイオリンの一瞬一瞬の“間”に続いての絶え間ない音の連続が荒れる嵐を表現している。
Ⅱ アレグロ・プレスト・アダージョ ( Vivaldi Summer mvt 2 Adagio) 稲妻と雷鳴の轟きで眠るどころではない、ブヨやハエが周りにすさまじくブンブン音を立てる。それは甲高い音でソロヴァイオリンによって奏でられる。
Ⅲ プレスト(夏の嵐) ( Vivaldi Summer mvt 3 Presto) 嗚呼、彼の心配は現実となってしまった。上空の雷鳴と雹(ひょう)が誇らしげに伸びている穀物を打ち倒した。

協奏曲第3番 ヘ長調、RV.293「秋」(L'Autunno) Jesen 20:40
Ⅰ アレグロ(小作農のダンスと歌) ( Vivaldi Autumn mvt 1 Allegro) 小作農たちが収穫が無事に終わり大騒ぎ。ブドウ酒が惜しげなく注がれる。彼らは、ほっとして眠りに落ちる。
Ⅱ アダージョ・モルト(よっぱらいの居眠り) ( Vivaldi Autumn mvt 2 Adagio molto) 大騒ぎは次第に弱まり、酒はすべての者を無意識のうちに眠りに誘う。チェンバロのアルペジオに支えられてソロヴァイオリンは眠くなるような長音を弾く。
Ⅲ アレグロ(狩り) ( Vivaldi Autumn mvt 3 Allegro) 夜明けに、狩猟者が狩猟の準備の為にホルンを携え、犬を従える。獲物は彼らが追跡している間逃げる。やがて傷つき獲物は犬と奮闘して息絶える。

協奏曲第4番 ヘ短調、RV.297「冬」(L'Inverno) Zima 32:52
Ⅰ アレグロ・ノン・モルト ( Vivaldi Winter mvt 1 Allegro non molto) 寒さの中で身震いしている。足の冷たさを振り解くために歩き回る。辛さから歯が鳴る。ソロヴァイオリンの重音で歯のガチガチを表現している。
Ⅱ ラルゴ ( Vivaldi Winter mvt 2 Largo) 外は大雨が降っている、中で暖炉で満足そうに休息。ゆっくりしたテンポで平和な時間が流れる。
Ⅲ アレグロ ( Vivaldi Winter mvt 3 Allegro) 私たちは、ゆっくりとそして用心深くつまづいて倒れないようにして氷の上を歩く。ソロヴァイオリンは弓を長く使ってここの旋律を弾きゆっくりとそして静かな旋律に続く。しかし突然、滑って氷に叩きつけられた。氷が裂けて割れた。頑丈なドアから出ると外はシロッコと北風がビュービュー。そんな冬であるがそれもまた、楽しい。

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