J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 BWV 1004 より Chaconne シャコンヌ

ヴァイオリン (ストラディヴァリウス「Lord Borwick」1702年):髙木凜々子 Ririko Takagi
町田市民フォーラム ホール《無観客リサイタル》より 2020年8月27日

ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach,)は、18世紀のドイツで活躍した作曲家・音楽家です。 バロック音楽の重要な作曲家の一人で、鍵盤楽器の演奏家としても高名であり、当時から即興演奏の大家として知られていました。
シャコンヌが入っている「無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番(BWV1004)」は、アルマンド、クーラント、サラバンド、ジーグ、そしてシャコンヌの5曲で構成されています。通常このような組曲は「ジーグ」で終わるのですが、ジーグの後の終曲に「シャコンヌ」入れています。このことだけでもバッハが特別な思いで作曲した曲であるという事を物語っています。
このシャコンヌは数あるバッハの曲の中でも比類ない傑作とされ、不朽の名作と讃えられています。
シャコンヌの起源は16世紀のスペインを端に発した3拍子の舞曲です。
しかしバッハの時代にはすでに舞曲として踊りに使われることはなく、バッハは、純粋な器楽作品としてこの作品を書いています。
このバッハのシャコンヌは大曲ですが構成はシンプルです。最初のわずか8小節でテーマが提示され、その変奏がその後途切れることなく30回繰り返される間に、巨大な構造物ともいうべき曲が展開する壮大な曲です。
シャコンヌについてのフィリップ・シュピッタの評言を引用します。
『巨匠の精神が楽器に魂を吹き込んで、信じがたいほどの表現を生み出す。このシャコンヌは物質に対する精神の勝利であり、バッハといえども、これ以上の輝かしいものは2度と書きえなかったのである。』
ヴァイオリン1本だけで表現される小宇宙をお楽しみください。

パルティータ第2番ニ短調 BWV1004
257小節に及ぶ長大な「シャコンヌ」を終曲にもつこのパルティータ第2番はこの曲集の頂点の一つを形成するもので、最も著名な作品である。全5曲。
Ⅰ Allemande
Ⅱ Courante
Ⅲ Sarabande
Ⅳ Gigue
Ⅴ Chaconne

シャコンヌの名称どおり変奏曲の形式を持つが、ニ長調の中間部を有する三部形式とも取れる。音楽的な構成としては、冒頭の8小節に現れる低音の下行テトラコードをシャコンヌ主題とし、種々の変形を受けながらこの主題が32回現われ、そのたびに上声を連続的に変奏する壮大な作品となっている。
当曲はヴァイオリン独奏以外の楽器のために編曲される事が多く、エディソン・デニソフは全曲に管弦楽伴奏を施し、ヴァイオリン協奏曲に編曲している。シャコンヌ単体ではヨハネス・ブラームスによる左手の練習のためのピアノ版、フェルッチョ・ブゾーニによる両手のためのピアノ版、レオポルド・ストコフスキーや斎藤秀雄による管弦楽版など様々に編曲されている。

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