J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲 Goldberg Variations BWV 988

ピアノ: グレン・グールド Glenn Gould
1981

ゴルトベルク変奏曲( ドイツ語: Goldberg-Variationen) は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハによるアリアとその変奏曲からなる2段の手鍵盤のチェンバロのための練習曲 (BWV 988)。全4巻からなる「クラヴィーア練習曲集」の第4巻であり、1742年に出版された。
バッハ自身による表題は「2段鍵盤付きクラヴィチェンバロのためのアリアと種々の変奏」 (ドイツ語: Clavier Ubung bestehend in einer ARIA mit verschiedenen Veraenderungen vors Clavicimbal mit 2 Manualen) 。

「アリアと種々の変奏」と題されているが、バッハが音楽を手ほどきしたヨハン・ゴットリープ・ゴルトベルクが不眠症に悩むカイザーリンク伯爵のためにこの曲を演奏したという逸話から「ゴルトベルク変奏曲」の俗称で知られている。しかし演奏には高度な技術が必要で、当時ゴルトベルクは14歳の少年であったことなどから逸話については懐疑的な見方が多い。

ピアノが主流となった時代から20世紀初頭まで演奏されることは少なかったが、ワンダ・ランドフスカがモダンチェンバロによる演奏を録音し、高く評価された。グレン・グールドはレコード会社に反対されながらもデビュー盤にこの曲を選択、1956年にリリースされたピアノ演奏のレコードは世界的な大ヒットとなった。グールドについては、1982年の急逝の直前の1981年に行ったこの曲のデジタル再録音も広く知られている。 グールドのデビュー盤以来、変奏曲としては長大で、しかも高度な対位法技術を用いて作られた難解なこの曲が脚光を浴び、チェンバロやピアノのみならず、編曲を施してギターや弦楽合奏などの種々の編成、さらにジャズでも演奏されるようになっている。

楽曲の構成は主題となるアリアを最初と最後に配置し、30の変奏が展開されており、中でも注目されるのは3曲ごとに配された9つのカノンである。同度から9度までの9つの音程による各カノンを同じ定旋律上で作り上げた技術はまさに名人芸といえる。このカノンを区切りとして、変奏は3つずつのゆるやかなグループを成している。最終変奏のみ、カノンではなくクオドリベットが置かれている。また、第16変奏はとくに「序曲」と付され、全体が前半15変奏と後半15変奏に対比されていることもわかる。以下、明記されていない変奏は主題と同じくト長調である。

アリア3/4拍子。
 このアリアはアンナ・マクダレーナ・バッハの音楽帳(1725年に始まる二番目の音楽帳)に書かれている。
第1変奏3/4拍子、1鍵盤。
第2変奏2/4拍子、1鍵盤。
第3変奏12/8拍子、同度のカノン、1鍵盤。
第4変奏3/8拍子、1鍵盤。
第5変奏3/4拍子、1あるいは2鍵盤。
第6変奏3/8拍子、2度のカノン、1鍵盤。
第7変奏6/8拍子、1あるいは2鍵盤。
第8変奏3/4拍子、2鍵盤。
第9変奏4/4拍子 3度のカノン、1鍵盤。
第10変奏2/2拍子、フゲッタ、1鍵盤。
第11変奏12/16拍子、2鍵盤。
第12変奏3/4拍子、4度の反行カノン。
第13変奏3/4拍子、2鍵盤。
第14変奏3/4拍子、2鍵盤。
第15変奏2/4拍子、ト短調、5度の反行カノン、1鍵盤。
第16変奏2/2拍子 - 3/8拍子、序曲、1鍵盤。前半部が荘重な付点リズムで、後半部で速度を増すフランス風序曲の形式で書かれている。
第17変奏3/4拍子、2鍵盤。
第18変奏2/2拍子、6度のカノン、1鍵盤。
第19変奏3/8拍子、1鍵盤。
第20変奏3/4拍子、2鍵盤。
第21変奏4/4拍子、ト短調、7度のカノン。
第22変奏Alla Breve(2/2拍子)、1鍵盤。
第23変奏3/4拍子、2鍵盤。
第24変奏9/8拍子、8度のカノン、1鍵盤。
第25変奏3/4拍子、ト短調、2鍵盤。
第26変奏3/4(18/16)拍子(右手が18/16拍子、左手が3/4拍子という特殊な書法である)、2鍵盤。
第27変奏6/8拍子、9度のカノン(唯一、自由声部のない純粋な2声カノン)、2鍵盤。
第28変奏3/4拍子、2鍵盤。
第29変奏3/4拍子、1あるいは2鍵盤。
第30変奏4/4拍子 クオドリベット、1鍵盤。quod libet(ラテン語で「好きなように」を意味する)は、宴会などで行う、複数人がそれぞれちがう歌を同時に歌う遊びであった。バッハは当時の流行歌二つを組み合わせつつ主題とも重ね合わせて終曲としている。使われたのは、"Ich bin solang nicht bei dir g'west, ruck her, ruck her"(「長いこと御無沙汰だ、さあおいで、おいで」)と"Kraut und Ruben haben mich vertrieben, hatt mein' Mutter Fleisch gekocht, war ich langer blieben"(「キャベツとカブが俺を追い出した、母さんが肉を料理すれば出て行かずにすんだのに」である。
アリア3/4拍子。ダ・カーポで、初めのアリアが再現されて全曲を締めくくる。

バッハ:ゴルトベルク変奏曲

Description from Zenph's website:
Glenn Gould's debut album of Bach's Goldberg Variations was recorded in June 1955. The Columbia LP quickly became one of the most revered piano recordings ever made and Gould became the most famous classical artist of the day. His exciting, unorthodox new way of playing Bach left listeners awestruck and critics around the world hailing him as a genius. But until recently this iconic album was limited by the dated recording technology of its time.

On September 25, 2006, history was made again. Zenph Studios recorded its debut re-performanceR to standing ovations in the CBC's famed Glenn Gould Studio in Toronto. The date would have been Glenn Gould's 74th birthday, and what a gift Zenph created to give his fans.

The Zenph re-performance is a revelation in its clarity, depth, and vibrancy. Gould seems to play at an almost inhuman speed and yet with complete accuracy. The 30 variations dazzle the listener with their inventiveness and variety. As music historian and Gould biographer Kevin Bazzana writes in the CD's liner notes, "Here, albeit with his trademark vocalizing no longer accompanying the performance, Gould's musical personality is unquestionably present..."

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