J.S.バッハ:チェンバロと2つのリコーダーのための協奏曲 第6番 ヘ長調 BWV 1057

チェンバロ: ファンニ・エドーチャ - Fanni Edocs
リコーダー:Arany Kovari & Dora Haraszti

チェンバロ協奏曲は、ヨハン・ゼバスティアン・バッハが作曲したチェンバロ協奏曲。1台用から4台用まであり、1台用は8曲(うち1曲は断片)、2台用3曲、3台用2曲、4台用1曲の計14曲がある。なお、現在では独奏楽器にチェンバロではなくピアノを用いる場合は「ピアノ協奏曲」と表記される場合もある。

バッハは1729年から1741年にかけて、ライプツィヒのコレギウム・ムジクムの指揮をしており、バッハのチェンバロ協奏曲は、その演奏会のために作曲されたものである。しかしその多くは、バッハの旧作、あるいは他の作曲家たちの作品を編曲したものであると考えられている。それらの原曲が失われていることも多いが、今日では原曲を復元し演奏することも盛んに行なわれている。
バッハがコレギウム・ムジクムの仕事を始めた頃、長男のヴィルヘルム・フリーデマン・バッハ、次男のカール・フィリップ・エマヌエル・バッハを始めとする息子たちや、弟子のヨハン・ルートヴィヒ・クレープスらが一流のチェンバロ奏者に成長しており、このことが複数のチェンバロのための協奏曲の成立の背景にあると考えられる。

チェンバロ協奏曲第6番 ヘ長調 BWV1057
ブランデンブルク協奏曲第4番 ト長調を原曲としている。原曲の2本のリコーダーのパートは、ほぼそのまま移調して用いられ、ヴァイオリンのパートは、チェンバロでの演奏効果を考慮したうえで改変が施されている。1738年から1742年頃にかけて作曲されたと考えられている。

構成は3楽章からなり、演奏時間は約16分。
第1楽章 (アレグロ)ヘ長調、8分の3拍子。軽快なビートに乗せて繰り広げられる牧歌的で、かつ華麗な音楽である。
第2楽章 アンダンテ ニ短調、4分の3拍子。厚い響きの悲歌。原曲のリコーダーの独奏部分は、ここではチェンバロに担われる。
第3楽章 アレグロ・アッサイ ヘ長調、2分の2拍子。スピード感と変化に富むフーガ風のフィナーレ。

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