J.S.バッハ：ピアノ協奏曲 第5番 ヘ短調 BWV 1056

指揮： ミシェル・コルボ Michel Corboz
グルベンキアン管弦楽団 Gulbenkian Orchestra
ピアノ： マリア・ジョアン・ピレシュ Maria Joao Pires

チェンバロ協奏曲第5番 ヘ短調の原曲は、消失したヴァイオリン協奏曲 ト短調の編曲であるとされている。
バッハとしては、初期のシンプルで古風な様式を示しているが、素材の有機的な展開といった点では、かなり巧みな書法が駆使されている。1738年から1742年頃にかけて作曲されたと考えられている。
構成は3楽章からなり、演奏時間は約9分ないし10分。

第1楽章 （アレグロ・モデラート）ヘ短調、4分の2拍子。
　リトルネッロ形式による楽章で、同一音形を装飾反復する、ややいかめしい表情をもったトゥッティ主題による。

第2楽章 ラルゴ　変イ長調、4分の4拍子。
　弦のピッツィカートの伴奏を背景に繰り広げられる甘美な楽章。

第3楽章 プレスト　ヘ短調、8分の3拍子。
　リトルネッロ形式による舞曲風の活発なフィナーレ。エネルギッシュでリズミックな性格を特色としている。