J.S.バッハ: チェンバロ協奏曲 第1番 ニ短調 BWV1052

指揮: ジョルディ・サバール Jordi Savall
スペインの古楽器室内楽団: ル・コンセール・デ・ナシオン Le Concert des Nations
チェンバロ: ピエール・アンタイ Pierre Hantai

 

チェンバロ協奏曲第1番 ニ短調の原曲は、消失した『ヴァイオリン協奏曲 ニ短調』の編曲。ただし、原曲がバッハ自身の作品であったかどうかについても確証がなく、疑問がもたれている。第1楽章、第2楽章はカンタータ第146番『われら多くの苦難を経て』に、第3楽章はカンタータ第188番『われはわが信頼を』の序曲に転用されている。なお、このチェンバロ協奏曲第1番の異稿(BWV1052a)が存在する。
バッハのチェンバロ協奏曲の中で最も完成度が高く、有名な作品となっており、両端楽章で繰り広げられるチェンバロのブリリアントな名人芸は、その華やかな魅力によって聴き手を捉えて離すことがない。1738年から1739年頃にかけて作曲されたと考えられている。
構成は3楽章からなり、演奏時間は約20分。

第1楽章 アレグロ ニ短調、2分の2拍子。
 リトルネッロ形式による楽章で、全楽器が力強いユニゾンの主題で始まる。

第2楽章 アダージョ ト短調、4分の3拍子。
 終始反復される低音主題の上で、チェンバロが装飾的な旋律を美しく歌い継いでいく楽章。

第3楽章 アレグロ ニ短調、4分の3拍子。
 リトルネッロ形式によるフィナーレで、活気に満ちた主題が、楽章全体にエネルギッシュな生命感を与える。チェンバロのソロが単独で腕前を披露する機会も多い。

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