J.S.バッハ: 世俗カンタータ BWV 211 "Schweigt stille, plaudert nicht"(コーヒー・カンタータ)

指揮:トン・コープマン Ton Koopman
Amsterdam baroque Orchestra and Choir
登場人物
語り手 Narrator:テノール Lothar Odinus
シュレンドリアン Schlendrian(「旧弊な人」の意)バス : Klaus Mertens
リースヒェン Liesgen(シュレンドリアンの娘)ソプラノ: Anne Grimm

「おしゃべりはやめて、お静かに」
Schweigt stille (Rezitativ)
Hat man nicht (Arie)
Du boses Kind (Rezitativ)
Ei! wie schmeckt (Arie)
Wenn du mir nicht (Rezitativ)
Madchen, die von harten (Arie)
Nun folge (Rezitativ)
Heute noch (Arie)
Nun geht (Rezitativ)
Die Katze laβt (Terzett)

おしゃべりはやめて、お静かに(独:Schweigt stille, plaudert nicht、別名:コーヒー・カンタータ、BWV 211)は、J. S. バッハの世俗カンタータ。1732年から1734年にかけて作曲されたカンタータであり、小喜歌劇である。

18世紀当時、本作の初演地のライプツィヒではコーヒー依存症が喫緊の社会問題となっており、本作はこれを題材とした喜劇である。
作詞はピカンダー(英語版)によるもので、「日に3度のコーヒーを欠かせば、苦しさのあまり、干からびた山羊肉のように萎んでしまう」といった歌詞が特徴。本作の初演は、ゲオルク・フィリップ・テレマンが1702年に設立したコレギウム・ムジクムによって、ライプツィヒのツィンマーマンのコーヒーハウスで執り行われた。
バッハは歌劇を書いておらず、このカンタータも演奏会形式のために書かれたものであるが、今日では衣裳を着込んでの上演が多い。

1 叙唱:Schweigt stille  語り手 シュレンドリアンとリースヒェンを紹介する前に、静粛と傾聴を聴衆にお願いする(おしゃべりはやめて、お静かに)。
2 アリア:Hat man nicht mit seinen Kindern  シュレンドリアン 言うことを聞かない娘に対する憤りを詠う。
3 叙唱:Du boses Kind  シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、娘にコーヒーを飲むのをやめるよう言う。リースヒェンは、反抗的な態度で父親に落ち着くよう言う。
4 アリア:Ei! Wie schmeckt der Kaffee suse  リースヒェン コーヒーに対するラブソングを歌い上げる。
5 叙唱:Wenn du mir nicht den Kaffee last  シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、食事や洋服などの愉しみを全て取り上げるなどと脅し始める。リースヒェンは、あっけらかんとしている。
6 アリア:Madchen, die von harten Sinnen  シュレンドリアン 娘が二度とコーヒーを飲みたくなくなるような弱点を明らかにしようとする。
7 叙唱:Nun folge, was dein Vater spricht!  シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、コーヒーを諦めないなら、結婚させないと脅す。リースヒェン、動揺。
8 アリア:Heute noch, lieber Vater ースヒェン リースヒェンは、婿を見つけると言った父に感謝し、恋人を持てるならコーヒーを諦めると誓う。
9 叙唱:Nun geht und sucht der alte Schlendrian  語り手 娘婿を探しに出かけるシュレンドリアン。実は、コーヒーを飲ませてくれる人でなければ結婚しないと心に決めているリースヒェン。
10 三重唱:Die Katze last das Mausen nicht  総唱 母も祖母も飲むコーヒーを、娘が飲むのを止めることはできないと、娘、父、語り手の3人全員で歌う。

inserted by FC2 system