J.S.バッハ: カンタータ BWV 211 "Schweigt stille, plaudert nich"(コーヒー・カンタータ)

指揮: ニコラウス・アーノンクール Nikolaus Harnoncourt
登場人物  語り手:テノール Peter Schreier  シュレンドリアン(「旧弊な人」の意):バス Robert Hol  
      リースヒェン(シュレンドリアンの娘):ソプラノ Janet Perry 1984

おしゃべりはやめて、お静かに(独:Schweigt stille, plaudert nicht、別名:コーヒー・カンタータ、BWV 211)は、J. S. バッハの世俗カンタータ。1732年から1734年にかけて作曲されたカンタータであり、小喜歌劇である。
18世紀当時、本作の初演地のライプツィヒではコーヒー依存症が喫緊の社会問題となっており、本作はこれを題材とした喜劇である。
作詞はピカンダー(英語版)によるもので、「日に3度のコーヒーを欠かせば、苦しさのあまり、干からびた山羊肉のように萎んでしまう」といった歌詞が特徴。本作の初演は、ゲオルク・フィリップ・テレマンが1702年に設立したコレギウム・ムジクムによって、ライプツィヒのツィンマーマンのコーヒーハウスで執り行われた。
バッハは歌劇を書いておらず、このカンタータも演奏会形式のために書かれたものであるが、今日では衣裳を着込んでの上演が多い。

1 叙唱:Schweigt stille  語り手 シュレンドリアンとリースヒェンを紹介する前に、静粛と傾聴を聴衆にお願いする「おしゃべりはやめて、お静かに」。
2 アリア:Hat man nicht mit seinen Kindern  シュレンドリアン 言うことを聞かない娘に対する憤りを詠う。
3 叙唱:Du boses Kind  シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、娘にコーヒーを飲むのをやめるよう言う。リースヒェンは、反抗的な態度で父親に落ち着くよう言う。
4 アリア:Ei! Wie schmeckt der Kaffee suse  リースヒェン コーヒーに対するラブソングを歌い上げる。
5 叙唱:Wenn du mir nicht den Kaffee last  シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、食事や洋服などの愉しみを全て取り上げるなどと脅し始める。リースヒェンは、あっけらかんとしている。
6 アリア:Madchen, die von harten Sinnen  シュレンドリアン 娘が二度とコーヒーを飲みたくなくなるような弱点を明らかにしようとする。
7 叙唱:Nun folge, was dein Vater spricht!  シュレンドリアン、リースヒェン シュレンドリアンは、コーヒーを諦めないなら、結婚させないと脅す。リースヒェン、動揺。
8 アリア:Heute noch, lieber Vater ースヒェン リースヒェンは、婿を見つけると言った父に感謝し、恋人を持てるならコーヒーを諦めると誓う。
9 叙唱:Nun geht und sucht der alte Schlendrian  語り手 娘婿を探しに出かけるシュレンドリアン。実は、コーヒーを飲ませてくれる人でなければ結婚しないと心に決めているリースヒェン。
10 三重唱:Die Katze last das Mausen nicht  総唱 母も祖母も飲むコーヒーを、娘が飲むのを止めることはできないと、娘、父、語り手の3人全員で歌う。

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