J.S.バッハ:カンタータ 第140番 "Wachet auf, ruft uns die Stimme" 「目覚めよと呼ぶ声が聞こえ」

指揮:Jiri Matl
KOMORNI SBOR a ORCHESTR
バッハ・コレギウム プラハ BACH-COLLEGIUM PRAHA

全7曲からなり、演奏時間は約33分。

第1曲 コラール 「目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声」 Wachet auf, ruft uns die Stimme
変ホ長調、4分の3拍子。 弦とオーボエが付点リズムを行進曲風に奏し、やがてコラール旋律がソプラノに現れる。
第2曲 レチタティーヴォ 「彼は来る、まことに来る」 Er kommt, er kommt,
イエスの姿を伝えるテノールの語り。婚礼の祝宴を前に、再び「目覚めよ」の声が発せられる。
第3曲 二重唱 「いつ来ますや、わが救いのきみ?」 Wenn kommst du, mein Heil?
魂(ソプラノ)とイエス(バス)の間で交わされる、霊化された愛の二重唱(アダージョ、ハ短調、8分の6拍子)。 ヴィオリーノ・ピッコロの技巧的なオブリガートを伴う。
第4曲 コラール 「シオンは物見らの歌うの聞けり」 Zion hort die Wachter singen,
変ホ長調、4分の4拍子。テノールの歌うコラールは、ユニゾンの弦が晴れやかな落ち着きを持って絡む。
第5曲 レチタティーヴォ 「さらばわがもとへ入れ」 So geh herein zu mir,
花嫁が登場し、イエスに擬せられたバスが「永遠の契り」を宣告する。
第6曲 二重唱 「わが愛するものはわが属となれり」 Mein Freund ist mein,
再び魂とイエスとの二重唱(変ロ長調、4分の4拍子)となる。軽やかに浮かれ立つようなオーボエ・オブリガート付きの明朗な音楽が繰り広げられる。
第7曲 コラール 「グローリアの頌め歌、汝に上がれ」 Gloria sei dir gesungen
ニコライのコラールが三たび変ホ長調で響きだす。簡潔な4声体楽曲である。

カンタータ第140番 目覚めよと、われらに呼ばわる物見らの声 BWV140、(Wachet auf, ruft uns die Stimme)は、ヨハン・セバスティアン・バッハが作曲したカンタータ。タイトルは「目覚めよと呼ぶ声あり」などと表記されることもある。
カンタータ第140番は「コラール・カンタータ」と呼ばれる形式によっており、カンタータの基礎となっているコラールは、フィリップ・ニコライという作曲家のコラールを第1曲、第4曲、第7曲に用いている。そのコラールの着想の原点となっている三位一体節後第27日曜日の福音書章句(マタイ伝第25章1から13節)では、花婿の到着を待つ乙女のたとえを用いて、神の国の到来への備えを説く。それをふまえ、真夜中に物見らの声を先導として到着したイエスが、待ちこがれる魂との喜ばしい婚姻へと至る情景を描いている。

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