バッハ:フルート・ソナタ ロ短調 BWV.1030

トラヴェルソ: イェド・ヴェンツ Jed Wentz
チェンバロ: ミカエル・ボルグステーデ Michael Borgstede

 

フラウト・トラヴェルソ(伊:Flauto Traverso)は木管楽器の古楽器の一種で、今日のフルート(モダン・フルート)の前身となった楽器である。略して「トラヴェルソ」と呼ばれることも多い。

バロック期以前には、西洋音楽においてフルートといえば縦型のリコーダー(伊:flauto dolce フラウト・ドルチェ、独:Blockflote ブロックフレーテ)の方が主流であったことから、「traverso(横向きの)」という形容詞を付けてフラウト・トラヴェルソと呼ばれた。
トラヴェルソのうち、バロック期に作られた1~2キーのトラヴェルソは「バロック・フルート」、古典派からロマン派の時代に作られた、多数のキーが付いたトラヴェルソは「クラシカル・フルート」「ロマンチック・フルート」と呼ぶこともある。
1847年のベーム式フルートの登場によって、トラヴェルソの時代は終焉を迎えるが、トーンホールの径を大きくして音量を増すなどの改良が加えられた多キーのトラヴェルソは、ドイツやオーストリア、アメリカなどで1930年代まで使われていた。

モダン・フルートは、ほとんどが銀や洋白などの金属で作られているが、元々フルートは木管楽器であり、古いものはほとんど木製である。フラウト・トラヴェルソの管体の材質としては柘植(つげ)や楓(かえで)、梨(なし)、黒檀(こくたん)、グラナディラなどが用いられる。比較的軟らかい木材が好まれることが多く、現在製作されているトラヴェルソも多くが柘植製である。表面は塗装されていることが多く、外観だけでは材種がわかりにくいこともある。木材は割れやすいので、油を塗布するなどのメンテナンスが欠かせない。
木材以外で最も多く使用された材料は象牙で、象牙製のフルートはとりわけ王侯貴族に愛用された。象牙も割れやすいので、今日まで残っている当時の楽器には、割れを補修してあるものが多い。クリスタルガラスで作られた美しいフルートも残っている。 キーは銀や真鍮(黄銅)、洋白などで作られている。
なお、現在は日本のトヤマ楽器製造(株)からABS樹脂製のトラヴェルソも発売されている。

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