J.S.バッハ:無伴奏チェロ組曲 第5番 ハ短調 BWV1011

チェロ演奏: ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ Mstislav Rostropovich

 

第5番ハ短調 BWV1011
チェロのA弦(音域がいちばん高い弦)を低くGに調弦して弾くことを前提に楽譜が書かれている。このような手法をスコルダトゥーラ(変則的調弦法)という。A弦を緩めることによって音量や音の張りなどに不利が生じることを理由として、通常の調弦のまま弾けるよう簡易に編曲された楽譜をもって演奏されてきた。現在では本来の響きの良さを求め、技巧的に難易度が高くなってもオリジナルの楽譜通り演奏するチェリストも増えている。

1. 前奏曲 2分の2拍子-8分の3拍子。
フランス風序曲の様式で書かれていて、大きく2つの部分に分かれる。前半は重々しく即興的。後半にはいると、新たな主題がフガートのように多声的に展開され、最後にハ長調の主和音で結ばれる。規模雄大な曲。

2. アルマンド 二部形式、2分の2拍子。重音と付点リズムが荘重さを印象づける。

3. クーラント 二部形式、2分の3拍子。前打音と節の結びのリズムが特徴的。

4. サラバンド 二部形式、4分の3拍子。重音を全く使用せず、半音階を多用する瞑想的な音楽。

5. ガヴォット I/II(Gavotte I/II) 三部形式、2分の2拍子。
二つの前打音を備えたガヴォットのリズムと重音が生かされている。第2ガヴォットもハ短調。三連符でなだらかに流れ、主部との対照を形作る。

6. ジーグ 二部形式、8分の3拍子。
付点付きリズムが支配的。途中、小節をまたぐタイによって音楽が不意に停滞あるいは宙に浮くような印象を与えるのが独特。

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