水戸室内管弦楽団 Mito Chamber Orchestra

水戸室内管弦楽団(Mito Chamber Orchestra: MCO)は、茨城県水戸市にある水戸芸術館専属の日本の室内オーケストラである。外国人を含めた音楽家が構成員となっている。

概略

1990年、水戸芸術館の専属楽団として、初代館長吉田秀和の提唱により開館と同時に設立された。水戸芸術館コンサートホールATMで、年4回程度の定期演奏会を行っている。定期演奏会は小澤征爾指揮による演奏会、客演指揮者による演奏会、ソリストを迎えての演奏会、指揮者を置かないメンバーのみのアンサンブルによる演奏会の4つの柱を基本に構成されている。2011年5月現在、定期演奏会は81回を数える。定期演奏会は通常同一曲目で2~3日間行われる他、国内ツアーや海外ツアーを行っている。

また、2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、復興支援の名目で、2011年7月10日に東京のサントリーホールにおいて、チャリティーコンサートを開催。収益金の一部を、水戸市や周辺市町村の小中学校で震災により被害を受けた吹奏楽部の楽器修繕や、東北地方の甚大な被害によって活動に大きな支障をきたした仙台フィルハーモニー管弦楽団などへの支援のため、寄付を行った。2012年1月18日に、水戸市立三の丸小学校吹奏楽部に堀伝が、楽団員代表として、チューバを贈呈。周辺の小学校にもマリンバやスネアドラム、アルトホルンなどを贈呈している。

コンサートマスターや首席奏者制度はない。ヴァイオリンに1st,2ndの区別を付けず、配置は曲に応じて毎度変わる。また楽員は公演毎に微妙に入れ替わりがあり、客演指揮者が引率してくるケースも多い(メルクルの場合はリヨンから招聘、など)。団員ではないが、ハープの吉野直子、ピアノの野平一郎は毎年のように共演又は協力している。

指揮者陣

音楽顧問・指揮者は小澤征爾であり、ほぼ毎年出演している。以前は若杉弘が頻繁に指揮した。小澤と師弟関係にある準・メルクルは2004年にデビューし、絶賛を博した。その後2006年、2008年、2009年と指揮台にのぼり、近年唯一の常連となっている(2010年も登場が決まっている)。他にジャン=フランソワ・パイヤール、ルドルフ・バルシャイ、トン・コープマン、トレヴァー・ピノック等、室内楽の達人が登壇している。基本的に指揮者なしでも演奏が可能であり、年間の半分は指揮者なしで公演を行う。2008年は小澤征爾が率いてヨーロッパツアーを行う予定であったが、小澤が急病のためリタイアする。その後小澤はメータ、バレンボイム、ムーティ、ブーレーズ、エッシェンバッハ等に代役を依頼したものの都合つかず、やむなく小澤は指揮者なしでツアーを強行させるよう指示し、成功に導いたという逸話がある(ただし細川俊夫の曲はラデク・バボラークが指揮を買って出た)。

レパートリー

会場や編成に限りがあるが、手広くカバーしている。古典中心に小編成の曲が多いが、小澤やメルクルが振るときはラヴェル、ドビュッシー、リヒャルト・シュトラウスなどを頻繁に取り上げ、レパートリーの拡充にも余念がない。協奏曲など伴奏も多く、イアン・ボストリッジなどの超大物も共演している。CD録音も多く、小澤、バルシャイ、指揮者なし等でリリースされている。なお選曲はオーケストラの団員が決定している。

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