クリスティアン・ゲルハーヘル(Christian Gerhaher, 1969年7月24日 - )は、ドイツのバリトンおよびバス歌手。
オペラや宗教曲でも活躍するが、殊にドイツ歌曲の分野で高く評価されている。
現在、夫人と3人の子どもと共にミュンヘン在住。
1969年7月24日、旧西ドイツのバイエルン州に生まれる。
大学で哲学を学ぶが、医学に転向。博士号を取得後、本格的に歌手を目指す。
ミュンヘンでパウル・クーエンとライムント・グリュンバッハに師事。ミュンヘン国立音楽大学のオペラ科に入学。フリーデマン・ベルガー教授の下でリートを学ぶ。ディートリッヒ・フィッシャー=ディースカウ、エリザベート・シュヴァルツコプフ、インゲ・ボルクのマスタークラスを受講し、声楽教育を修了。
2000年、シュヴァルツェンベルクのシューベルティアーデで、イアン・ボストリッジの代役として「白鳥の歌」を歌い、大喝采を受ける。 以後、主にドイツ・リートの歌唱で知られるが、オペラでもモンテヴェルディからワーグナーまでレパートリーは広く、大指揮者に最も信頼されるバリトン歌手の一人。
現在では、自身も後進の指導にあたり、アルデブルク音楽祭、イェール大学、アムステルダム・コンセルトヘボウ、シュヴェッツィンゲン音楽祭でマスタークラスを開催。更に、名誉教授としてミュンヘン国立音楽大学にてワークショップを行なって、教鞭も執る。
2008年、来日。東京、名古屋、大阪で公演を行う。以後、2011年、2014年にも来日。
2006年、シューベルトの作品を収めた『夕暮れの情景』がグラモフォン賞。
同年、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン音楽祭では北ドイツ放送音楽賞。
2009年、シューマンの作品を収めた『メランコリー』で、エコークラシック賞年間最優秀歌手とBBC音楽賞、更に、ラインガウ音楽賞も受賞。
2010年、マーラーのアルバムがMIDEMクラシック賞年間最優秀歌手、オランダのエディソン・クラシック賞、ドイツ・レコード批評家賞年間最優秀賞。
同年、ロンドンのコヴェントガーデン王立歌劇場に、ワグナー『タンホイザー』のウォルフラムでデビュー。
2011年、同役でローレンス・オリヴィエ賞を受賞。