ソプラノ歌手: ルネ・フレミング Renee Fleming

ルネ・フレミング(Renee Fleming, 1959年2月14日 - )は、アメリカ合衆国のソプラノ歌手。当代随一のソプラノと評される。


フレミングのレパートリーはリヒャルト・シュトラウス、モーツァルト、ヘンデル、ベルカント、ドイツ歌曲、フランスのオペラ曲やシャンソン、ジャズ、インディーズ・ロックなどを網羅している。その声質は完全なリリック・ソプラノである。これまでに、コロラトゥーラ(技巧的旋律)やリリコ(叙情的旋律)、そしてスピントなどの配役を、自分の母国語である英語の他、イタリア語、ドイツ語、フランス語、チェコ語、ロシア語などで演じている。フレミングは、流暢なドイツ語とフランス語を話す。その他に、限られてはいるがイタリア語も話す。彼女の特徴が活かされている役としては、モーツァルトの「フィガロの結婚」でのアルマヴィーヴァ伯爵夫人、ヴェルディの「オテロ」のデズデモーナ、ヴェルディの「ラ・トラヴィアータ」でのヴィオレッタ、ドヴォルザークの「ルサルカ」のタイトル・ロール、マスネの「マノン」のタイトル・ロール、マスネの「タイス」のタイトル・ロール、リヒャルト・シュトラウスの「アラベラ」のタイトル・ロール、「ばらの騎士」での元帥夫人マリー・テレーズ、「カプリッチョ」の伯爵夫人などが挙げられる。

国家芸術勲章とリチャード・タッカー賞の受賞者でもあり、フレミングは世界中のオペラ・ハウスやコンサート・ホールに定期的に出演している。2008年には、スウェーデン北極星音楽賞が長年の彼女の音楽への貢献に対して授与されている。フレミングは、シカゴのリリック・オペラのクリエイティヴ・コンサルタントを務めている。

指揮者のサー・ゲオルク・ショルティは、フレミングのことを、「私の長い人生において、ここまでの水準の高さのソプラノ歌手には二人しか出会っていない。(一人はフレミングで、)もう一人とは、レナータ・テバルディのことだ」と述べている。

人物

ペンシルベニア州に生まれ、ニューヨークで育つ。両親はともに声楽家で、彼女自身も少女時代から声楽を学ぶが、ジョニ・ミッチェルなどのポピュラー音楽やジャズにも親しんだ。ニューヨーク市立大学卒業後、ジャズ歌手となったが、後にクラシックに転じ、イーストマン音楽学校、ジュリアード音楽院に学ぶ。
卒業後しばらく小さな劇場で歌った後、1988年ヒューストン・グランド・オペラで『フィガロの結婚』の伯爵夫人の大役を射止める。翌年ドイツに留学し、ロンドン・コヴェント・ガーデンでショルティに見出され、ケルビーニの『メデア』を歌って批評家の大絶賛を受けた。帰国後の1990年、アメリカで最も期待される若手オペラ歌手に贈られるリチャード・タッカー賞を受賞した。

1991年、ニューヨーク・メトロポリタン歌劇場にフェリシティ・ロットの代役として『フィガロの結婚』伯爵夫人役でデビューした。 以降、同劇場を拠点にしながら、ミラノ・スカラ座、ウィーン国立歌劇場、パリ・オペラ座、ザルツブルク音楽祭などにも客演している。また、1999年、2006年とグラミー賞を2回受賞している。

レパートリーはリートを含む歌曲からオペラ、現代音楽にジャズと幅広く、『フィガロの結婚』(伯爵夫人)、『ばらの騎士』(元帥夫人)、『アラベラ』(表題役)、『カプリッチョ』(伯爵夫人)など、モーツァルトとリヒャルト・シュトラウスのヒロイン役で特に評価が高い。そのほか、『アルチーナ』(表題役)、『椿姫』(ヴィオレッタ)、『オテロ 』(デズデモーナ)、『ラ・ボエーム』(ムゼッタ)、『タイス』(表題役)、『ルサルカ』(表題役)、『エフゲニー・オネーギン』(タチアーナ)といったオペラの諸役に挑み、成果を挙げている。

2001年に来日している。また、2009年のオバマ大統領就任記念コンサートでは、「You'll Never Walk Alone」を歌った。
なお、メトロポリタン歌劇場のライブ・ビューイングにおいて、自身の娘が同歌劇場の少年少女合唱団に所属していることを明かしている。

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