シュターツカペレ・ドレスデン Staatskapelle Dresden

シュターツカペレ・ドレスデン(Sächsische Staatskapelle Dresden)は、ドイツ・ドレスデンに本拠を置く歌劇場(Semperoper ゼンパー・オーパー)専属オーケストラである。


解説

このオーケストラの日本での名称は「ドレスデン・シュターツカペレ」や「ドレスデン・シュターツカペルレ」という言い方もある。かつてゼンパー・オーパーは東ドイツの国立歌劇場(現在はザクセン州立)だったことや、日本ではドイツの州立団体を「国立」と呼ぶ(ドイツは連邦制で州政府が国家に近い組織を持ち、独立国の伝統もあるため)慣習があることから「ザクセン国立歌劇場管弦楽団」、「ドレスデン国立管弦楽団」、「ドレスデン国立歌劇場管弦楽団」と呼ばれることもある。

1548年にザクセン選帝侯の宮廷楽団として設立され、現存するオーケストラとしては1448年に設立されたデンマーク王立管弦楽団に次ぐ歴史を持つ。17世紀のシュッツから、19世紀のウェーバー、ワーグナー、20世紀のリヒャルト・シュトラウスに至るまで、重要な作曲家が指揮者としてもこのオーケストラと関係を築いてきた。リヒャルト・シュトラウス作品のいくつかを初演したオーケストラとしても音楽史に名を残しており、ことにオペラは9作品が初演されている。

20世紀における主要な首席指揮者は、カール・ベーム、フランツ・コンヴィチュニー、ヨーゼフ・カイルベルト、ルドルフ・ケンペ、クルト・ザンデルリング、マルティン・トゥルノフスキー、ヘルベルト・ブロムシュテット、ジュゼッペ・シノーポリなど。ベーム時代にはユダヤ人のシュテファン・ツヴァイクが脚本を書いたシュトラウスの歌劇「無口な女」の初演を巡ってナチスの干渉から騒動が起こったこともある。 戦後ドレスデンは東ドイツに属したが、ベーム、コンヴィチュニー、カイルベルト、ケンペ、オイゲン・ヨッフム、ヘルベルト・フォン・カラヤン、カルロス・クライバーなど西側の指揮者との録音が東側の楽団としては比較的多く行われた。初来日は1973年。2001年にシノーポリが任期を残して急逝したため、2002年8月から、ベルナルド・ハイティンクが後任指揮者に選ばれた。 2007年8月よりファビオ・ルイージがゼンパー・オーパー音楽総監督就任と同時にカペルマイスターに就任。その披露にもあたる歌劇場全体の来日公演が2007年11月に行われ、2009年にはオーケストラ単独で再来日した。

2012年からは、チューリヒ歌劇場に転出するルイージの後任として、ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団を離れるクリスティアン・ティーレマンが首席指揮者に就任した。近年、非ドイツ系のゲルマン人とイタリア人を交互に迎えてきた同団としては、45年ぶりのドイツ人シェフとなる。

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