北ドイツ放送交響楽団 NDR Sinfonieorchester Hamburg

北ドイツ放送交響楽団(ドイツ語: NDR Sinfonieorchester Hamburg)は、北ドイツ・ハンブルクに本拠を置くオーケストラである。1945年結成。

[本拠地のライスハレ]


概要

その名に北ドイツ放送を冠するとおり、北ドイツ放送協会の放送オーケストラである。本拠地は、ハンブルクのライスハレ(旧称ムジークハレ)。現在の首席指揮者はトーマス・ヘンゲルブロック。なお北ドイツ放送は、他にハノーファーにもハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー管弦楽団を所有している。

沿革

第二次世界大戦後、旧西ドイツでは各地のラジオ局(放送協会)による放送オーケストラが結成されたが、北ドイツ放送交響楽団もその一つである。終戦直後の1945年、ドイツ音楽の正統派指揮者として名高いハンス・シュミット=イッセルシュテットのもとにイギリス軍将校2人が訪れ、ハンブルクの放送局で交響楽団を創設してほしいと依頼し、創設に尽力する。当初は北西ドイツ放送交響楽団(NWDR-Sinfonieorchester)として結成され、後にケルン放送交響楽団を分離し、北ドイツ放送交響楽団となる。シュミット=イッセルシュテットは、初代の首席指揮者(1945年 - 1971年)に就任し、このオーケストラにとって初めての黄金期を築いた。

また、結成直後の1951年には巨匠ヴィルヘルム・フルトヴェングラーが指揮台に立ち、地元ハンブルク出身である作曲家ヨハネス・ブラームスの作品が演奏された。このときに演奏された交響曲第1番は録音も残っている。その他にも、ハンス・クナッパーツブッシュ、エーリヒ・クライバー、カール・シューリヒト、オットー・クレンペラー、カール・ベーム、フェレンツ・フリッチャイといった名だたる指揮者が客演している。 地元ハンブルク生まれでもあるブラームスの作品は、その後も一貫してこのオーケストラの主要レパートリーの一つであり、シュミット=イッセルシュテット、ヴァント(2種)とは交響曲全集も完成している。

伝統的な作品の他に現代音楽もレパートリーとしており、ブルーノ・マデルナやピエール・ブーレーズ、クシシュトフ・ペンデレツキ、松下眞一らの作品も彼らの指揮により、初演を行っている。

シュミット=イッセルシュテットの退任後、1972年からモーシェ・アツモンが第2代首席指揮者をつとめ、1979年には、東ドイツから亡命したばかりのクラウス・テンシュテットが第3代首席指揮者に就く。しかし、テンシュテットは楽団との関係がうまくいかず、1981年の演奏旅行中に辞任してしまう。後継にはケルン市の音楽総監督をつとめたギュンター・ヴァントを第4代首席指揮者(1982年 - 1991年)として迎える。
ヴァントは、ドイツの古き良き伝統を受け継ぐオーソドックスな演奏で評判を呼んだ。楽団員からの信頼も厚く、ヴァント在任中の同オーケストラは、第2の黄金期を迎える。ヴァントは首席指揮者退任後の1991年に名誉指揮者に就任し、2002年2月14日に没するまでこの楽団に客演した。ヴァントのあとは、ジョン・エリオット・ガーディナー(1991年 - 1994年)、ヘルベルト・ブロムシュテット(1995年 - 1997年)、クリストフ・エッシェンバッハ(1998年 - 2004年)、クリストフ・フォン・ドホナーニ(2004年 - 2011年)が代々の首席指揮者をつとめた。2011年からはトーマス・ヘンゲルブロックが首席指揮者でアラン・ギルバートが首席客演指揮者。2015年からはクシシュトフ・ウルバンスキが首席客演指揮者に就任予定。ドイツ人指揮者の海外流出が目立つ中では、自国人を首席指揮者に据える割合がかなり高い。
2012年に新しく建設されるエルプフィルハーモニー・ハンブルクへ本拠地を移転する予定であったが、ホールの建設が遅れており、2012年8月の段階で一番早くて2015年の完成になると報じられている。

首席指揮者・音楽監督

歴代首席指揮者

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