NHKホール NHK Hall

NHKホール(英語:NHK Hall)は、東京都渋谷区の多目的ホールである。建築設計は日建設計である。1972年(昭和47年)11月に完成し、1973年(昭和48年)6月20日に運用開始した。


現在のものは2代目で、初代NHKホールはNHK東京放送会館内に存在していた。日本放送協会(NHK)の関連法人である一般財団法人NHKサービスセンターが運営を行っている。
NHK交響楽団(N響)の本拠地となっているホールでもある。

概要

東京都渋谷区神南のNHK放送センター内に所在し、NHKの公開放送番組の収録や生放送をはじめ、NHK交響楽団の定期演奏会、その他クラシック、オペラ、バレエ、ポップスなど各種コンサート、古典芸能の上演、講演会、国際会議、各種式典等に幅広く使用されている。

3,500人以上収容できるホールでありながら、ステージと客席との距離が近くに感じることができるのが特徴である。また、緞帳は上下にも左右にも開閉可能な赤い幕と、重厚な金属製の緞帳の2種類が備え付けられている。

客席の上手側壁にカール・シュッケ社製のパイプオルガンが設置されている。パイプ数7,640本、ストップ数92で、完成当時は日本最大のパイプオルガンであった。

多目的ホールであるため、クラシックの演奏には音響上不利であるとされ、東京にクラシック音楽向けのホールが多く整備された現在では、NHK交響楽団の演奏会のほか、オペラの「引越し公演」で利用されることが多い。

なお、内幸町に放送拠点を置いていた1973年(昭和48年)以前には、NHK東京放送会館に隣接して「NHKホール」(1955年完成)が存在した。クラシック音楽番組『立体音楽堂』や『歌のグランド・ショー』などの生放送に使われたが、『NHK紅白歌合戦』の会場に使うには手狭であったため、内幸町にほど近い有楽町の東京宝塚劇場などから放送していた。

2000年代以降では、NHKで多発した不祥事に端を発し、NHK受信料の支払い拒否が増加していたことから、2005年度以降は一部番組において、受信料を払っている視聴者に限定した番組観覧募集も行われるようになった(申し込みには契約者番号提示を要する。例:『NHK歌謡コンサート』、『BS永遠の音楽大全集』、『NHK紅白歌合戦』など)。

また、2005年度から「NHK改革」により歌謡・芸能番組の予算が削減され、将来的には公開番組の本数が削減されるものと見られる。

NHKホールと同じくNHKが所有するホール施設として、NHK大阪ホール(NHK大阪放送会館に併設、2001年にオープンした。NHKプラネット近畿総支社が運営)がある。

2007年(平成19年)からは「携帯電話の着信音等による収録妨害」に対応するため、携帯電話に対して、ジャミング(通信機能抑止装置)を稼働させており、NHKホールの客席においては、携帯電話・スマートフォンの電話や電子メールなどの通信機器での通信は一切不可能である。

データ

名称:NHKホール
建築面積:6,900m2 地上6階、地下2階
総座席数:3,601席(1階1,091席、2階1,335席、3階1,175席)
舞台:スライディングステージ1基、小迫り3基
パイプオルガン:パイプ=7,640本、ストップ=92 (ベルリン、カール・シュッケ社製)
残響時間:1.6秒(満席時)

略史

旧NHKホール(内幸町)時代(1955年 - 1972年)
1955年 - 東京都千代田区内幸町のNHK東京放送会館隣(現・日比谷シティ)にNHKホール(旧)完成。
現NHKホールの歴史(1973年 - )1972年 - 渋谷区神南に移転したNHK放送センター隣に現在のNHKホールが完成。
1973年6月20日 - 新生NHKホールが開館。?落とし公演はラインベルガーオルガン演奏会。
1973年6月27日 - NHK交響楽団による落成記念公演。(ヴォルフガング・サヴァリッシュ指揮で第九)
1973年12月31日 - NHKホールで初めての紅白歌合戦生放送。
1974年8月 - NHKホール見学公開を開始。
1975年4月5日 - 日本初の引退興行、ザ・ピーナッツ さよなら公演(高橋圭三司会)
1989年 - 座席を現行のデザインとほぼ同じのものに取り換える。2008年まで使われた。
1990年 - 常時使用可能なハイビジョン設備(アナログハイビジョン)導入。これ以降NHKホールを使用する番組のハイビジョン試験放送での放送が順次実施された。
1992年5月9日 - NHKホールの入場者が1500万人を突破。
1993年 - 開館20周年記念公演、特別番組
2002年2月6日 - NHKホールの入場者が2000万人を突破。
2008年9月12日 - 老朽化対策及び安全対策工事完了。エントランス及び外壁の補修、照明・吊り装置等舞台制作設備の更新、客席椅子全交換を含む観客サービスの向上化が図られる。これにより1階オーケストラピット席と3階席の席幅が1,2階席と同等となり、客席数が3,742席から3,601席となる。

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